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1 ああ,無分別なガラテアの人たち,あなた方の目の前で,イエス・キリストは杭につけられた者としてあらわに描き出されたのに,そのあなた方を悪影響のもとに置いたのはだれですか。 2 ただこのことをあなた方から聞きたいと思います。あなた方は律法の業のゆえに霊を受けたのですか,それとも信仰によって聞いたからですか。 3 あなた方はそれほど無分別なのですか。霊において始めたのち,今は肉において完成されてゆくのですか。 4 あなた方がこれほど多くの苦しみに遭ったことは無駄だったのですか。それがほんとうに無駄であったならばですが。 5 また,あなた方に霊を供給し,あなた方の間で強力な業を行なわれる方,その方は律法の業のゆえにそれをなさるのですか,それとも信仰によって聞くからですか。 6 アブラハムは「エホバに信仰を置き,彼に対してそれは義とみなされた」とあるとおりです。 7 あなた方は,信仰を堅く守る者がアブラハムの子であることを知っているはずです。 8 さて,聖書は,神が諸国の人々を信仰によって義と宣することを予見し,前もってアブラハムに良いたよりを宣明しました。すなわち,「あなたによってすべての国民が祝福されるであろう」と。 9 したがって,信仰を堅く守る者は,忠実なアブラハムと共に祝福されているのです。 10 というのは,律法の業に頼る者は皆のろいのもとにあるからです。「律法の巻き物に書かれているすべての事柄のうちにとどまってそれを行なわない者は皆のろわれる」と書かれています。 11 さらに,律法によってはだれひとり神にあって義と宣せられないことは明白です。「義人は信仰のゆえに生きる」とあるからです。 12 また,律法は信仰を堅く守るものではありません。むしろ,「それを行なう者はそれによって生きる」とあります。 13 キリストはわたしたちの代わりにのろわれたものとなり,こうしてわたしたちを律法ののろいから買い取って釈放してくださったのです。「杭に掛けられる者は皆のろわれた者である」と書かれているからです。 14 その目的は,アブラハムの祝福がイエス・キリストによって諸国民に及び,こうしてわたしたちが,約束された霊を自分の信仰によって受けるためです。 15 兄弟たち,わたしは人間的な例えで話します。有効にされた契約は,たとえそれが人間のものであっても,だれも押しのけたり,それに付け加えたりはしません。 16 さて,その約束はアブラハムとその胤に語られました。それが大勢いる場合のように,「また[多くの]胤に」とではなく,一人の場合のように,「またあなたの胤に」と述べてあり,それはキリストのことなのです。 17 さらに,わたしはこの点を述べます。神によって以前に有効にされていた契約について言えば,四百三十年後に存在するようになった律法は,これを無効にしてその約束を廃棄するのではありません。 18 相続財産が律法によるのであれば,それはもはや約束にはよらないからです。ところが神は約束によってそれをアブラハムに親切にお与えになったのです。 19 では,律法はなぜ[与えられたの]ですか。それは違犯を明らかにするために付け加えられたのであり,約束のなされた胤が到来する時にまで及ぶのです。そして,それはみ使いたちを通し,仲介者の手によって伝えられました。 20 さて,ただ一人の者しか関係していない場合には,仲介者はいません。しかし神はただひとりなのです。 21 それでは,律法は神の約束に反するのですか。断じてそのようなことはないように! 命を与えることのできる律法が与えられていたのであれば,義は実際には律法によってもたらされたはずだからです。 22 しかし,聖書はすべてのものを共に罪の拘禁のもとに置き,こうして,イエス・キリストに対する信仰から生じる約束が,信仰を働かせる者たちに与えられるようにしたのです。 23 しかしわたしたちは,信仰が到来する前には律法のもとに警護されており,共に拘禁されたまま,やがて表わし示されることになっていた信仰を望み見ていました。 24 したがって,律法は,わたしたちをキリストに導く養育係となったのであり,それは,わたしたちが信仰によって義と宣せられるためでした。 25 しかし,信仰が到来した今,わたしたちはもはや養育係のもとにはいません。 26 現にあなた方は皆,キリスト・イエスに対する信仰によって神の子なのです。 27 キリストへのバプテスマを受けたあなた方は皆キリストを身に着けたからです。 28 ユダヤ人もギリシャ人もなく,奴隷も自由人もなく,男性も女性もありません。あなた方は皆キリスト・イエスと結ばれて一人の[人]となっているからです。 29 さらに,キリストに属しているのであれば,あなた方はまさにアブラハムの胤であり,約束に関連した相続人です。 4章へ
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1 兄弟たち,わたしの心の善意と,彼らのために神にささげる祈願は,彼らの救いのためにほかなりません。 2 わたしは,彼らが神に対する熱心さを抱いていることを証しするのです。しかし,それは正確な知識によるものではありません。 3 彼らは神の義を知らないで,自分たち自身の[義]を確立しようと努めたために,神の義に服さなかったからです。 4 キリストは律法の終わりであり,こうして,信仰を働かせる者はみな義を得るのです。 5 モーセは,律法の義を行なった人はそれによって生きる,と書いています。 6 しかし,信仰の結果である義はこのように語ります。「あなたの心の中で,『だれが天へ上るだろうか』と言っては,つまりキリストを引き下ろそうとしてはならない。 7 また,『だれが底知れぬ深みへ下るだろうか』と[言っては],つまりキリストを死人の中から引き上げようとしてはならない」。 8 では,それは何と言うのですか。「その言葉はあなたに近く,あなたの口の中,あなたの心の中にある」。つまり,信仰の「言葉」のことであり,わたしたちが宣べ伝えているものです。 9 その『あなたの口の中にある言葉』,つまり,イエスは主であるということを公に宣言し,神は彼を死人の中からよみがえらせたと心の中で信仰を働かせるなら,あなたは救われるのです。 10 人は,義のために心で信仰を働かせ,救いのために口で公の宣言をするからです。 11 聖書は,「彼に信仰を置く者はだれも失望させられない」と言っています。 12 ユダヤ人とギリシャ人の間に差別はないからです。すべての者の上に同じ主がおられ,この方はご自分を呼び求めるすべての者に対して豊かなのです。 13 「エホバの名を呼び求める者はみな救われる」のです。 14 しかし人は,自分が信仰を持っていない者をどうして呼び求めるでしょうか。また,自分が聞いたこともない者にどうして信仰を持つでしょうか。また,宣べ伝える者がいなければ,どうして聞くでしょうか。 15 また,遣わされたのでなければ,どうして宣べ伝えるでしょうか。「良い事柄についての良いたよりを宣明する者の足は何と麗しいのだろう」と書かれているとおりです。 16 しかしながら,すべての人が良いたよりに従ったのではありません。イザヤは,「エホバよ,わたしたちから聞いた事柄にだれが信仰を置いたでしょうか」と言っているからです。 17 ですから,信仰は聞く事柄から生じるのです。一方,聞く事柄はキリストについての言葉によるのです。 18 しかしながら,わたしは言います。彼らは聞かなかったわけではないでしょう。実に,「その音は全地へ出て行き,その発言は人の住む地の果てにまで[行った]」のです。 19 しかしながら,わたしは言います。イスラエルは知らなかったわけではないでしょう。最初にモーセはこう言っています。「わたしは,国民ではないものによってあなた方にねたみを起こさせ,愚鈍な国民によってあなた方に激しい怒りを起こさせる」。 20 しかし,イザヤはすこぶる大胆になってこう言っています。「わたしは,わたしを探していなかった者たちに見いだされ,わたしを求めていなかった者たちに明らかになった」。 21 しかし,イスラエルについてはこう言っています。「わたしは,不従順で,口答えをする民に向かって,ひねもす自分の手を伸べた」。 11章へ
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biohazard - 名無しさん 2009-09-12 22 49 10
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▽タグ一覧 わたしの可愛いナオミ オマージュ作品 パノラマ キャラクター 直巳(わたしの可愛いナオミ) 憧子(わたしの可愛いナオミ) 浜田(わたしの可愛いナオミ) 熊谷(わたしの可愛いナオミ) 関(わたしの可愛いナオミ) わたしの可愛いナオミ 世界観メモ 文学作品の痴人の愛のオマージュ男女逆転創作 喫茶店のアルバイターから見出した十五歳の直巳を理想的に育て、いずれは自分の夫にしようと思った真面目なOL憧子が、次第に直巳の魅力に取り憑かれて破滅するまでを描く愛の物語。
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『わたしはまりさ』 81KB 愛で いじめ 考証 思いやり 愛情 不運 差別・格差 日常模様 育児 越冬 番い 群れ 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ ゲス 希少種 自然界 現代 愛護人間 創作亜種 独自設定 50作目。自分で言うのも何ですが力作です。 <誕生編> 季節は初春。山菜に舌鼓を打つ野生動物がワラワラと現れ始めます。 そんな山すそに広がる深い森の奥に小さなゆっくりの群れがありました。 そのゆっくりの群れは不思議なことに人間や野生動物が入ってこない絶好のゆっくりぷれいすなのです。 和気藹々と春の訪れを喜び合うゆっくり達。 とある二匹のカップルは枯れ草の上で皆に聞こえるように大きな声を上げました。 「すっきりーするよ!!!」 冬を乗り越えて子作りの時期になった群れの若い衆が一斉に交尾をするのです。 去年カップルになった若いまりさとれいむもご多分に漏れずすっきりしようとしています。 木の股の間を掘って作った我が家で二匹は互いの頬を擦り合います。 「すーりすーり」 「すーりすーり」 すーりすーりは元は親が子に対して、スキンシップとして行うことから始まりました。 そもそも、ゆっくりというのは動く首だけの生物ということもありコミュニケーションの方法が限られています。 そこで、感度の高い頬を重ね合わせることで快感を得ようとする試みが性交の快楽へと結びつきました。 更にはぺにぺにやまむまむを使う性交とは別に受胎型のデメリットを克服するために、 早産の植物妊娠をするすーりすーりが野生のゆっくりにおいて行われることが多くなったのです。 「すっきりー!」 ナメクジの交尾に近いといってもよいでしょう。頬から出る粘膜同士を混ぜ合わせて母方とされるゆっくりに種子を宿します。 「しあわせー!」 ぽぽぽぽーんとれいむのおでこから緑色の蔦が伸び、プチトマトのように丸い子供たちが並んでいます。 こうしてできた赤ゆっくり4匹はハツカネズミよりも早く、ものの一週間で地面にあんよを下ろすことになるでしょう。 「おちびちゃん、ゆっくりしていってね!!」 とくとくと静かに蔦を伝えて鼓動が聞こえてきます。母ゆっくりが子供たちに栄養を送っている音でしょう。 「ゆゆーん! おちびちゃん、げんきにそだってね!!」 この子達は幸福になる権利を与えられて生まれてきます。環境という苦痛が絶望を味あわせようとも…… 「ゆっくちちていっちぇね! きりっ!!」 「「ゆっくりしていってね!!」 最後の赤子が地面に舞い降りました。彼らは皆どこにも悪いところもなくお飾りもハリつやのある綺麗なものでした。 親まりさは初めての子供に大層喜び、これまで以上に狩りをがんばろうと、大人になる事を誓いました。 母れいむはおちびちゃんのためにとりあえずがんばろうと思いました。 「みんな、ゆっくりじこしょうかいしていってね!!」 「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!」」」」 最初に赤ゆっくりの自己紹介をするのは、赤ゆっくりに言語障害がないかを確認するためと言われています。 言語障害のあるゆっくり、例えば失語症であったり吃音であったりするゆっくりはゆっくりできないとし、間引かなければならないのです。 また、知的障害をチェックするための儀式でもあると言われています。 重度の知恵遅れなゆっくりはこの先生き残れないとしてこれもまた間引かなければならないのです。 「れいみゅはれいみゅだよ! ゆっくちちていっちぇね!!」 まずは長女から挨拶をすることにしました。 舌足らずな物言いですが、赤子だから仕方がないのです。普通のゆっくりとして順当な受け答えだから大丈夫といったところでしょう。 この子は生きることを認められました。 「れいみゅはれいみゅだよ! ゆっくちちていっちぇね!!」 その下の子も大丈夫のようです。 「まりちゃはまりちゃだよ! ゆっくちちていっちぇね!!」 そのまた下の子も。 「あたちはまりちゃだよ! ゆっくちちていっちぇね!!」 「「ゆゆ!?」」 ………あれ? わたしはまりさ 嘘あき 春うららの晴天に若い命が輝くゆっくりした昼下がり。おさである老ぱちゅりーは一息ついてこの群れの繁栄を噛み締めていました。 「むきゅ、こんかいもゆっくりしたこたちでたすかったわ」 話は越冬に戻りますが、越冬をするのが初めての一部の若いゆっくりは、準備をせず他のことにかまけて失敗したなんてこともあります。 けれど、今回の若いゆっくりたちは9割が真面目なゆっくりであったので多少の犠牲は出つつもほとんどのゆっくりが越冬に成功したのです。 蟻以上に怠け者役が頻出するゆっくりの群れを思えばかなり優秀な部類に入る群れではないでしょうか。 話を戻しましょう。そんなこんなで呑気していたおさぱちゅりーにある夫婦が駆け寄って来ました。 「たたた、たいへんだよぉおおおおおおお!!!」 おさぱちゅりーはゆっくりと垂れ下がった頬をピシッと引き締めます。 一体何事か! まさか、れみりゃが襲ってきたのか? それともれいぱーか!? 「いったいなにかしら!!」 おさぱちゅりーはゆっくりらしからぬ真剣な顔で夫婦に向き合います。 「ようけんをいいなさい!!」 「お、おちびちゃんが!!」 ああ、子供の相談かと、強張った身体をゆるめました。 「むきゅむきゅ」 おさぱちゅりーは子供がどうのこうのという言葉を聞いてすぐに間引きのことだと思いました。 間引きに関してはこの群れにも少なからずある問題です。 やはり、障害を持っていたとしても我が子というものは可愛いものです。それ故に殺すことを拒否する若い親達が居るのも事実です。 だが、現実を見てもらわなければならない。その為におさとしてその夫婦を宥めて諭す役割があるのです。 「あのね……おちびちゃんは「おさぁああああ!!! まりさのこがすこしへんなんだよぅうううう!!!」」 「だから、「とりあえずゆっくりみてね!!!」はぁ……」 良くあるパターンだと受け止めて、とりあえず見るふりだけでもすることにしました。 「それで、そのおちびちゃんは?」 「まりさのおぼうしのなかにいるよ!!」 少し前のめりにしゃがんで、頭の先を跳ね上げてから帽子を器用に脱ぐと、そこにはちびっこい丸いものがいました。 身体やおかざりに欠点のない中々凛々しい赤ゆっくりです。しかし、中身が伴っているかといえばそうではありません。 「むきゅ、おちびちゃん。じこしょうかいをしてね!」 おさぱちゅりーもテストのために自己紹介を要求しました。 赤まりさは意気揚々と答えてみせます。 「あたちはまりちゃだよ!! おしゃ、ゆっくちちていっちぇね!!」 キリッとした顔で答えるこのゆっくりに悪いところは見当たりません。ですが、この子は最初に何といったのでしょうか。 「あ、あたち?」 「あたちはまりちゃだよ? ゆゆ? あたち、なにかわりゅいことちた?」 初めてのことにおさぱちゅりーは驚愕せざるをえなかった。“あたち”と言う言葉を、謎の言葉を使ったのですから。 「むきゅ……まりさはあたちっていうのかしら?」 「ちがうよ! あたちはまりちゃだよ!! ぷんぷん!!」 「むきゅきゅ? まりさはまりさなのよね?」 「しょうだよ! あたちはまりちゃぢゃよ」 「まりさはまりさであたちじゃない? よくわからないわ!?」 ゆっくりの常識では考えられない“あたち”という主語におさぱちゅりーは困惑しました。 おさは知らなかったのです。ちるの種が自分のことを指す時に“あたい”と言う言葉を使うということを。 わからないものに対してはこそあど言葉を使用する場合もあるが、ゆっくりは代名詞を使わないのです。 少なくともちるののことを知っていれば対応も変わったかも知れませんがそうはいかないのが現実です。 「おさぁ、どうすればいいのぜ!?」 どうすれば良いのかこちらが聞きたい。おさぱちゅりーは口に出して言ってやりたかったのですが、おさのプライドにかけて弱音を吐く事は止めました。 どうすれば良いのかではなくておさがすべき事はどうするかだけなのだから。 「おちびちゃんはころころしないといけないのぜ?」 「むきゅきゅ……」 殺すか殺さないかという言葉は他人から見れば1か0を選ぶ話のようなものですが、当人としてはそんなちゃちな問題じゃありません。 命は力、この群れを支えるものなのですから。 それに、赤子は自分のことをまりさだと自覚しています。“あたち”という奇妙な言葉を使う以外は普通のまりさなのです。 そんなおさぱちゅりーに一つの答えが浮かび上がりました。 「むきゅん!」 そうだ、矯正してしまえばいい! 自分のことを“あたち”というのを辞めさせられれば万事OKだ。 「あのね、おちびちゃん。まりさはまりさであって、あたちではないの。だから、あたちということばはつかってはいけないわ」 「ゆゆ? どうちて?」 「あたちということばはね、ゆっくりできないのろいのことばなの」 「「ゆゆ!?」」 両親はその言葉にゆっくりできませんでした。真っ先に思いついたのはせいっさいの風景です。 群れのルールを破った重度の犯罪ゆは公衆の面前で処刑されるのが決まりでした。 絶対に動かないようにするために体が動かなくなるまで集団でリンチをします。 それから、しょけいばと言われる場所で剣の腕が一番高いかいしゃくゆんに中枢餡を突いてもらい処刑するのです。 その時です、犯罪ゆは各々言葉をはきかけます。 『おばえらぁあああ! ぜったいにゆるざないがらなぁあああああ!!! のろってやるぅううう!!!!』と。 呪いにかかって死んだと言われるゆっくりもいます。ただ単に死期が訪れただけなのですが、それを呪いのせいだと解釈するゆっくりも居るのです。 両親たちは大いに嘆きました。自分の子供が生まれつき呪いの言葉を吐くゆっくりであることを。 「でもだいじょうぶ。それいじょういわなければのろいはかかったりしないわ!!」 「ゆゆ、それならだいじょうぶだよ! ね、おちびちゃん!!」 母れいむはオチビちゃんににこりとほほ笑みかけます。 「ゆぅ、わきゃっちゃよ! まりちゃはまりちゃだよ!! あたちじゃないよ!!」 「お、おちびちゃん……」 「むきゅ、かんたんにはいかないようね……」 身体をすくめて、おさぱちゅりーはため息混じりに言いました。 <子ゆっくり編> それから月日が経って、赤ゆっくりは子ゆっくりへと成長しました。あの“あたち”まりさもすくすくと育っていきました。 「まりさ、おへんじしなさい!」 「まりさはまりさだよ! ゆっくりしていってね!!」 母に呼ばれた“あたち”まりさは元気よく返事をします。 まりさは父と姉を含めて三匹いるのにその中の誰を呼んでいるかが分かるのがゆっくりの不思議なところです。 一説では微妙なイントネーションの違いだといわれています。 「ゆゆ、まりさ。よくできたね!」 今日は初めてのがっこうの日。“あたち”と言う言葉も矯正して言わなくなりました。 めでたしめでたし……というのには少し早いようなのでお話はまだ続きます。 そのかわりですが、時折“あたち”ではなく自分のことを“あたし”と呼ぶようになりました。 大人に少し成長したといったところでしょうか。それでも周りは許してくれません。 その言葉も呪われているとおさぱちゅりーに言われたので両親はてんやわんやです。 “あたち”も“あたし”も絶対に言ってはダメだと口を酸っぱくして両親は言いました。 「ぜったいにのろいのことばをいったらだめだよ!! まりさはまりさなんだから」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 鼻歌を歌いながら母れいむに用意してもらったお弁当をもち、姉妹4匹で両親に挨拶をします。 「ゆっくりいってくるよ!!」 子供を監視しやすいように学校は群れの中心で行われます。いわゆる青空教室の形をとっています。 学校に行くと大小様々なゆっくり達がいました。年長さんに年少さん。見たことのないゆっくりの数がそこには広がっていました。 「ゆゆ、まりさ、ゆっくりしていってね!」 お隣さんのありすが声をかけてくれます。まりさはすぐに返事をしました。 「ゆっくりしていってね!!」 知らない子ばかりで心細かったのでしょう。ありすはまりさの元へ寄り添ったのです。 「おそかったじゃない! ゆっくりしすぎよ!!」 「ごめんごめん、ゆっくりしてたよ!」 ありすは少しツンデレでした。ツンデレで少し臆病だけど優しい子です。 まりさが自分のことを“あたし”と呼んでも、ありすは笑って返してくれる。中々の器量持ちです。 「まりさ、はじめてのがっこうたのしみだね!!」 「そうだね、ありす。まりさはおともだちがたくさんできればいいな」 「ありすはとかいはなおべんきょうをしたいわ!!」 各々の将来図を交わしながら会話を始めました。 「そういえば、まりさはあのおびょうきなおったの?」 「うーん、ときどきゆっくりいっちゃうかな」 「だめよ! がっこうでそんなことしたらいじめられるわ!!」 「おおげさだよ、ありす」 「いえ、そんなことないわ。きっとねちねちといわれるに……ああ、かんがえただけでも!!」 「ゆっくりおちついてね」 「おちついていられないわ!!」 「むきゅ、みんなおはよう! ゆっくりしていってね!!」 先生役のぱちゅりーの鶴の一声でみんなの会話は終わります。 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 遊んでいた子もお喋りしていた子も元気に挨拶を返しました。 まりさにとって、がっこうの授業は見識を広める場所として最適でした。 おうちの見つけ方や作り方、家具の設置方法やゆっくり間での倫理学。 真新しい知識に埋もれながらも時は経ち、まりさの周りにはゆっくりと友達の輪ができ始めました。 しかし、同時にゆっくりできないゲスなグループも現れるのががっこうの怖いところです。 ある日の放課後。一際小さい臆病ゆっくりなちぇんが不良グループに絡まれました。 「や、やめてねー」 「ゆふふ、そんなことよりゆっかーしようなのぜ! ちぇんはぼーるやくなのぜ!!」 ゆっかーとはサッカーのようでサッカーじゃないボールを蹴り飛ばしたりするだけの単純なゲームです。 本来ならそこらへんにある木の実をボールに使うのですが、不良グループの子供たちはちぇんをボールにしようというのです。 「たすけてほしいんだねー!」 ですが、誰も助けに来る訳がありません。不良グループに目を付けられたくないのですから。 それでもなお、目をきょろきょろと回すちぇんに哀れみを感じたまりさは動こうとします。 「まりさ、いっちゃだめよ!」 幼なじみのありすが止めました。周りのお友達も頷きます。 「がまんしないといけないのぜ」 「まりさがやさしいの、れいむしってるよ! でも、いっちゃだめだよ……」 身体の大きい年長のまりさがチビのちぇんを蹴り飛ばしました。 「い、いたいよー!!」 泣き喚くちぇんですが許しを乞う相手はサディステックに笑いました。 「ゆふふ! よわいものいじめはゆっくりできるのぜー!」 「でいぶもゆっかーするよ!」 「ちーんぽ!」 「むきょきょ! ぱちぇのこうあんしたゆっかーはゆっくりできるわね!!」 「めざわりなちぇんはゆっくりしないでね!!」 学校中で騒ぎ立てる不良グループに周りのゆっくりたちはゆっくりできませんでした。 しかし、異議を唱えることはできません。なぜなら、 「しょうらいおさになるまりささまにたてついたばつなのぜ!!!」 おさの孫であるまりさが不良グループのリーダーだからです。 親の前では良い顔をして弱いゆっくりには徹底的に強気な典型的なゲスゆっくりなのです。 「ちぇ、ちぇんはなにも!!」 「ちぇんのそんざいじたいがうっとうしいのぜ!!」 外聞を気にせず学校の中心で行われるいじめにまりさの我慢は限界でした。 「やめてね! ちぇんがかわいそうだよ!!」 友達の制止も聞かずにまりさは立ち上がったのです。このまりさ、“あたし”と言う癖以外は善良で精悍なまりさでした。 姉妹の中でも一番成長し身体もそれなりに引き締まっており、とにかく優しいゆっくりでした。 備考ですがゆっくりの体の成長や賢さは各々の我慢強さと密接な関係があります。 ストレスに弱い個体はうんうんやしーしーなどの量が増え体積が増えにくいのです。また、嫌な記憶も消去するので賢くないのです。 成長が早ければ1年以内に成ゆん化し、遅ければリーダーまりさのように2年経っても子供のままでいるのです。 成ゆん式という行事で大人になったかなっていないかの判別があるのですが、それはまた後で。 話は変わって、そんなまりさをあまり良い目で見ていなかったリーダーまりさは、いいカモが出来たと黄色い前歯をちらつかせながら近寄ります。 「ふーん、まりささまにたてつくのぜ? かくごはできてるのかぜ!!」 仲間のチンピラもまりさを囲うように集まって来ました。数の暴力を使おうと考えているからです。 しかし、まりさは言い放ちました。 「ゆゆ! おさのまごのくせにひとりじゃけんかもできないんだね!!」 「ゆあーん? なにいってるのぜ!!」 目配せをしながら周りのゆっくりたちを退かせ、リーダーまりさはまりさと一対一の状況に持ち込みました。 野次馬気取りの他のゆっくりたちは悲観するもの楽しむもの、ヤツを倒せと希望するものに別れていました。 「「「「「せいっさいせいっさい!!」」」」」 「「「「「まりさーがんばれー」」」」」 まりさより一際大きいリーダーまりさは強気な態度で投げかけました。 「かくごはできてるのかぜ!?」 「まりさはただ、ちぇんがかわいそうだからいっただけだよ!!」 「くずがどうなろうとまりささまのしったことではないのぜ!!」 「しょうらい、おさになるんでしょ! それなのにいじめはゆっくりできないよ!!」 「まりさのしょうっらいのむれにくずはふようなのぜ! まりささまがしゅくっせいしようというのだぜ! なぜそれがわからんのかぜ!!?」 「じぶんかってだよそれは!! みんなだっていっしょうけんめいいきているんだよ!! まりさ、なんでそれがわからないの!?」 「ふん、こどものざれごとなのぜ。こどもにはわからないおとなのじじょうってやつなのぜ!! ゆひゃひゃひゃひゃ」 幼稚なジャイアニズムを掲げるリーダーまりさに、まりさの堪忍袋の緒が切れました。 「いのちをだいじにしないまりさはくずだ!」 闘志に燃える瞳でリーダーまりさの目をみすめ、噛みつかんばかりに歯をむき出しにするまりさ。 しかし、そんなまりさを見下すリーダーまりさには妙な自信があるようです。 「くずがよくほえるのぜ。くずにくずといわれたところでまりさにはなんのいみもないのぜ!!」 「きさま、きさま、きさまぁ!!」 「なにをいってるのぜ? あらてのじゅもんなのかぜ? まりさしってるのぜ。おまえはのろわれたゆっくりだってしってるのぜ!!」 「ど、どうしてそれを……」 リーダーまりさの予想外の言葉にまりさはたじろぎました。 「ばばあのところにまりさがかよってるのをまりさしってるのぜ!!」 「それは!」 言葉遣いを矯正できたか心配でまりさは良くおさのところへ通いつめていました。 その姿をリーダーまりさに見られていたのでしょう。 「みんな! しってるのかぜ!? まりさはのろわれたゆっくりなのぜー!」 「やめろ!!」 「へんなことばをつかってみんなをのろうのぜ!!? ゆっくりできないのぜ!!」 「やめろぉ!!!」 言われたくなかった言葉。そして、自分のことを冷ややかに見始めた周りのゆっくりたち。 姉妹たちはやってしまったかと頭を抱えました。 そして、何よりもまりさは動揺を受けて怯えている友人に申し訳がなかったのです。 「あ、あたしは!!」 あまりのことにブレーキの外れてしまったまりさは素に戻ってしまいました。封印してしまっていたものが解け始めたのです。 「あたしはのろわれてなんかいない!!」 「なにをいいだすのかとおもえばのろいのことばなのかぜ!? そんなものでこのまりさがたおせるとおもっているのかぜ!!」 「それはちがう!! あたしはまりさだ。あたしはあたしだ!! それのなにがわるい!!」 いままで心の中に溜め込んでいたものを吐露しました。自分のことを自分と言えない鬱屈をバネに言葉が飛び出たのです。 「あたしはおまえをゆるさない!」 「のろいにたよるおまえなんかまけるわきゃねぇのぜ!!」 その言葉を引き金にまりさ達は一斉に駆け出し、頭をゴッツンコ。 「くぅ!!」 「ゆぎぃ!!」 衝突時の反動にこらえながらもまりさはリーダーまりさを睨みます。 「どうしたのぜ!? もうこわくなったのかぜ!!」 喧嘩馴れをしているリーダーまりさは痛みに強かったのです。 それとは逆に喧嘩が初めてのまりさは生まれ持った根性で痛みを補いました。 「ま、まだまだ!!」 再度、定位置に戻りもう一度走って頭をぶつけます。歯を食いしばり、迫り来る痛みと対決です。 「この! この!!」 爺のファックよりも覇気のない破裂音が響きます。ですが、十合を越えた所でまりさは気絶しました。 「「「「「………」」」」」 壮絶な戦いに周りのゆっくり達はただただ唖然とするばかり。 その中にはリーダーまりさの取り巻きたちが勝者を称えに駆け寄ります。 「まりさ! かっこよかったよ!!」 「やっぱり、りーだーはとかいはね!!」 久しぶりの強い疲労にリーダーまりさは荒い息で答えます。 「と、……とうぜんなのぜ!」 一歩違えば自分が敗者だったかも知れない。脳震盪に近い症状が起きているリーダーまりさはおぼつかない足取りでまりさの元に近づきました。 「へ、へへ……しょせんくずはくずなのぜ!」 リーダーまりさの顎の下から透明な液体が放射されました。しーしーです。 ゆっくりは喧嘩に勝つと相手を負かした証拠としてマーキングをするのです。 基本、排泄物にはゆっくりのみが感じる強い刺激臭がし匂いに敏感なゆっくりにとっては敬遠したいもの。 それを擦り付けるということは敗者をとことん陥れるというスポーツマンシップなどを掲げる人間のプライドとは逆の行為を行なっていると言えるでしょう。 ゆっくりはとことん他ゆんを陥れるのが好きな生き物なのですから…… 「でいぶもやるよ!」 「あら、とかいはなありすもやるわよぉお!!」 「すこしたまってたんだよーわかれよー」 「むきょきょ! けんじゃのせいすいをあじわえるのよ! かんしゃしなさい!!」 取り巻きたちも混ざり合ってしーしーかけ大会が始まりました。ポタポタと帽子の上から水しぶきが弾かれます。 「「「「「ゆひゃひゃひゃひゃ!!!」」」」」 「「「「「……………」」」」」 周りを囲んでいるゆっくり達は恐怖で何も言えませんでした。 帽子の上にしーしーをひっかけられたのが不幸中の幸いでしょう。帽子なら水で洗ってしまえば済むことです。 これが肌に直にひっかけられたらふやけた皮としーしーが入り混じり臭いが一生取れなかったかも知れません。 また、皮がふやけると皮膚が歪な形になり身体障害が起こる可能性だってあったのです。 「これにこりたらにどとはむかうんじゃないのぜ! ゆひゃひゃひゃ!!」 そう言い捨てるとリーダーまりさ達はその場を去って狩場へと向かいました。 「………」 気絶しているまりさは何故か涙が流れました。 しーしーが流れた跡でしょうか? 負けたからでしょうか? それとも分かり合えなかったからでしょうか? 自分のために屈辱を味合わされているまりさをちぇんは潤んだ瞳で見るだけでした。 友人たちに介抱されているまりさとは別に、リーダーまりさは狩場もとい、きのこが生い茂った木々の間でかりをしていました。 「まりささまははやくびっぐなおとなになるのぜ!!」 かりをすれば早く大人に認めてもらえるという浅知恵でかりに勤しむのです。 まりさは群れの中では子供のまま。体は大人になりつつあるがそれに伴う知識を得ようとはしませんでした。 学校では授業を聞かずに弱いものをいじめ、飽きればゆっくり睡眠をとる。 そんな怠惰なゆっくりに明日があるのかと言われればそんなものはないでしょう。 ですが、無駄に肥えたプライドが他ゆんを見下し自分は他ゆんよりも上の存在だと錯覚を覚えさせます。 リーダーまりさはおさになりたい。おさになって全てのゆっくりをどれいにしてゆっくりの一大王国を築きあげる。 まりさに賢い所があるとすれば、順序を踏まなければならないということがわかっていることでしょう。 大人たちを支配するためにはまずは認められなければならない。 その為の前段階として大きくて水玉模様の赤いキノコを口に咥えるのです。 「ゆふふーまりささまはかりのてんさいなのぜー!!」 狩場の中心に誰から見ても分かるところにそのキノコはありました。 普通ならそのキノコを敬遠するでしょう。誰も手に触れなかったということを考えれば。 だが、まりさは愚かです。人を見下してなんぼの世界にいるゆっくりなのですから。 「むれのれんちゅうはふしあななのぜ!!」 「そうだねーわかるよー」 「むきょきょ! このもりのけんじゃであるぱちゅりーさまがいないとなにもできないくずだわ!!」 「でいぶ、はやくそのきのこさんをたべてみたいよ!!」 「しんぱいせずともおまえらにわけてやるのぜ!!」 「「「「「ゆわーい!」」」」」 リーダーまりさはキノコの傘の部分をちぎって取り巻きたちに与えます。 これが危険なキノコだと誰も分からなかったという点、類が友を呼ぶといえば良いのでしょうか。 傘のなくなったキノコをリーダーまりさがその他の傘の部分を取り巻きたちがむーしゃむーしゃしました。 「お、おいしいんだねー!!」 「むきょ!! こんなにおいしいきのこははじめてよ!!」 「でいぶ、もっとむーしゃむーしゃしたいよぉおおお!!!」 「とかいはなあじだわ!!!」 「さすがまりささまなのぜ!!」 「「「「「ゆっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」」」」」 舌鼓を打ちながら笑いあうリーダーまりさと取り巻きたちはその笑いを止めることは一生かないませんでした。 ここはおさぱちゅりーが病室として柔らかい土壁をほった穴蔵。そこにはおさぱちゅりーと子ゆっくり達の親が集まっていました。 「「「「「ゆっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」」」」」 群れ中に響く笑い声。涙を流しながら笑い続ける子供ゆっくりにおさぱちゅりーは自分のもみあげで額を支えました。 「はぁ、これはもうておくれね」 「「「「「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」」」」」 知識があるゆっくりならこの症状が何であるかわかります。ですが、リーダーまりさの母、おさぱちゅりーの娘はわかりませんでした。 「どういうことなのぉおお!! おかーさん、はやくぱちぇのかわいいまりさをなおしなさい!!!」 「むりよ、まりさはどくきのこさんをたべてしまったのよ」 「むきゃー!! いいからなおしなさいぃいいいい!!!」 「そうなのぜ! はやくまりさをなおしてね!! いますぐでいいよ!!」 「「「「「そうだそうだ!!」」」」」 子ゆっくり達の親は口うるさくおさぱちゅりーを問い詰めますが無理なものは無理です。 肉薄するゆっくり達にうんざりしながらも繰り返し言葉を重ねます。 「だから、むりなのよ!!」 「「「「「うるざいいいいい!! はやくなおせぇええええ!!」」」」」 癇癪を起こすゆっくり達に火に油を注いだだけです。 どうすれば良いのかと思っていたところに親に連れられたある子まりさが言いました。 「まりさしってるのぜ。まりさたちはのろいにかかったのぜ!!」 「「「「「のろい!!???」」」」」 「むきょ!?」 のろいという言葉におさぱちゅりーの娘はピンと来ました。おさの元によく通っていた良く分からない言葉を使うあのまりさ。 「あ、あのまりさのこと!?」 「そうなのぜ、まりさはまりさとけんかをしたときにのろいのことばをつぶやいてたのぜ!! じぶんがまけたからってひきょうなのぜ!!!」 リーダーまりさの取り巻きの一人を姉に持つ子まりさは、皆が笑い転げているのはのろいのせいだ。子まりさは頑なに信じていたのです。 「ゆぐぐぐ、あのくそまりさぁあああ!!!」 「ちょっとまちなさい!!」 子まりさの言葉を真に受けて信じきっている両親たちにおさはギョッとしました。 「「「「「ゆ、ゆるせないぃいいいい!!!!」」」」」 「「「「「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」」」」」 「お、おちつきなさい!!!!」 「「「「「おちついてられるかぁああああああ!!!!」」」」」 「いいからききなさい!!」 喧々囂々のこの場においておさぱちゅりーは歯止めが効かないと判断し、想定できる行為を止めるために最後の言葉を言い残しました。 「もし、まりさをせいさいしたら、ぱちぇはあなたたちをせいさいしなくてはならないわ」 「「「「「どぼじでぞんなごというのぉおおお!!!!???」」」」」 「あたりまえよ! だって、どくきのこでしんだのがわかっているのにのろいのせいにするのはおかしいわ!!」 「「「「「でも!」」」」」 「でももげばもない。きそくをやぶったらせいっさいよ!!」 「「「「「ゆぎぎぎぎ!!」」」」」 納得できないといった表情で子供たちを見守り始めた両親たち。そんな姿を見ておさはまりさのことを考えました。 「むきゅ、これはまずいことになったわ……」 おさはまりさのことを気に入っていました。自分の言ったことをグングンと飲み込む明瞭さに加えてとても素直。 どうしようもなくゲスに近づいていく孫よりも可愛いく、本当の孫のように思っていました。 きっと、おさになれる。おさ候補としても有望で、有望だからこそ弱みを握られたくなかったのです。 ですが、子まりさによって全てがバラされてしまいました。 なんとか、せいっさいのムードを打ち切ることには成功しましたが、今後まりさがどう見られていくのかは容易に予想がつきます。 「まりさ……」 「「「「「ゆひゃひゃひゃひゃは…ひゃ…ひゃっ!」」」」」 「「「「「お、おちびちゃんんんんんんんん!!!!!!」」」」」 群れ中に響いた笑い声は子ゆっくり達の命の終わりと共に幕を閉じたのです。 夜行性の動物が活発化する月の綺麗な夜でした。まんまるお月様の下、まりさは川で自分の帽子を洗っていました。 「ゆー……においがおちないよ」 サラサラと流れる緩やかな、まりさの心を反映したかのように流れる川はとても静かでした。 「わたしは、わたしなのに、どうしてわたしじゃないの?」 ちゃぷちゃぷと川の水を飲み込みながら吐き出す帽子。いっこうに落ちない臭いがまりさの鼻を刺激します。 「くちゃいよぉおおお!」 例の不良グループにかけられた小便の臭いが中々落ちません。どうしたものかと考えていたらあることを思いつきました。 「く、くさいさいさんなら、べつのにおいをつければいいんだよ!」 思いついたが吉日、まりさは川に漬けていた帽子を取り出し、それを砂埃の多い地面に帽子をこすりつけました。 「ずーりずーり。つちさんのにおいならばれないよね!!」 帽子が傷つかないように丁寧にまりさは帽子に砂をまぶします。これで土っぽい臭いのワイルドなゆっくりに様変わりです。 「ゆー、あたしはあいであまんだね!!」 茶色く薄汚れた帽子は少しゆっくりできませんでしたが、まりさは少し誇らしげでした。 「あたしはわるくない! ぜったいに!!」 自分をけなされて怒らない人はいません。仮にいたとしても、心の奥底では悔しがっているでしょう。 まりさは少しずつ、自我というものの芽生えに気付いて来ました。 <青ゆん編> 学校に通ってから6ヶ月が経ちました。秋口の見えてきた紅黄の世界が山を覆います。 「まりさ! きょうもとかいはね!」 「ありすも、きょうもとかいはだね!」 「まりさ、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね、だぜ!」 「ゆっくりしていってねーなんだねーわかるよー」 青空教室の門も門番もいない入り口で、まりさは友だちに囲まれました。 以前と少し違う点は友達が少し増えたことです。あの時、助けたちぇんもその一匹です。 「きょうもいっしょにおべんきょうしようね!」 元々のリーダー気質のせいか、まりさを中心とした友達の輪が出来上がりました。 だれにでも優しく、寛容なまりさは誰にでも好かれる、というわけではありません。 「ひーそひーそ! あの、まりさがきたよ!!」 「ひーそひーそ! のろいのまりさだよ!!」 不良グループの両親たちが広めたゆっくりできない噂で、まりさへの怪訝な視線が増えたのです。 「ゆっくりきにしないでね!」 「ゆ、ゆん!」 気にしないでね、そんな言葉にまりさはあまりゆっくりした気持ちにはなれませんでした。 なぜなら、自分の癖を知っていてそれでも付きあおうとしてくれる仲間たちに感謝しつつその反面、疑心暗鬼なところもあったからです。 やはり、自分のことを認めてくれるゆっくりなんていないのだろうか。そんな思惑が餡子の身体を駆け巡ります。 放課後、仲間たちと一緒にらぐびぃをしようと広場に出かけた時に、まりさは先生ぱちゅりーに呼び止められました。 「むきゅ、まりさはそろそろおとなのかいだんをのぼらないといけないわ!」 「それって、ぎしきのこと?」 まだ、1年も経っていないまりさには眉唾ものでした。なぜなら、1年以内に大人になったゆっくりはそうそういないからです。 いたとしても、それはおさぱちゅりーや先生ぱちゅりー等、聡明なゆっくりしかいません。 自分が、優秀だと言われているようなものですから、まりさには少し信じがたいものでした。 「でも、まりさは」 「ちょっとおかしなだけで、まりさはりっぱなせいゆんよ!」 「そういってくれるのはうれしいけど」 「なら、ぎしきをうけなさい」 「でも、まだまりさはこどもだよ!」 まりさは自分のことを子供だと思っています。親に保護され、与えられるものを享受する子供のままだと。 しかし、現実は子供の時間を奪っていくものです。 「まりさ、あなたはおかあさんやおとうさんのおてつだいをしてるらしいわね」 「そうだよ」 「どちらもおとなのようにきちんとこなしているわ。まりさはじしんをもっておとなであるといってもいいのよ」 「ゆぅ……」 まりさは困惑しました。大人になるのは遅かれ早かれおとずれることです。 しかし、大人になるということは自由と共に自己責任を伴うものです。 大人になるのが怖い。そう感じる感性も正しいし、大人になるのが楽しみなのも正しいです。 ですが、まりさは前者です。それに、一匹だけ大人になるのって悲しいと思いませんか? 「まりさはみんなといっしょにおとなになりたい」 ぱちゅりーは横に首を振って答えました。 「むりだわ。だって、あなたはせいっじゅくしてしまったのだから」 「ゆぅ……」 ぐうの音も出ません。 「ぎしきはそうね……あしたにでもとりおこないましょうか!」 「ゆゆ!?」 「ぜんはいそげっていうらしいし、はやいことにこしたことはないわ!」 「ちょ、ちょっとまってよ!!」 「いいえ、またないわ!」 急なことで、まりさはすこしパニックを起こしました。 「ど、どぼじで!?」 目を真ん丸く回しながら、あたふたと地面にもみあげを叩きつけます。 「もともと、せいゆんしきはあしたってきまっていたのよ」 「きゅうすぎるよ!」 「あら、まりさはまわりをかんさつできるこだとおもっていたわ」 「ゆゆ? ゆ、……そういえば」 「でしょ? まわりのじょうきゅうせいたちがはしゃいでいたのはそのせいよ」 学校で上級生たちが何かを作ったり、歌の練習をしていたのを思い出しました。あれは、せいゆんしきのお披露目のためだったそうです。 「でも、あんしんして、あなたはなにもしなくていいから。したいなら、べつにかまわないけど」 「きゅうすぎて、なにがなんだかだよ」 「おとなになるのって、そういうものよ。それじゃ、あとはがんばってね! むきゅ!」 言い終わると先生ぱちゅりーは自分の家へと帰って行ってしまった。 ぽつんと取り残されたまりさは呆然とあることを考えていました。 大人になるということは、結婚も視野に入れないといけないということを…… 次の日、太陽がこんにちはをして東から西に昇ろうとした時に、まりさは幼なじみのありすを川岸に呼び寄せました。 ありすは、まぶたをパチクリさせながら眠たげな表情でまりさに問いかけました。 「あさはやくによびだすなんてとかいはじゃないわ……」 大きなあくびをするありすですが、大人は皆、いそいそと働いている時間です。 まりさもいつもなら両親の手伝いで慌ただしい朝を迎えるのですが、子ゆっくりは違います。 朝食を得るために新鮮な草花を取らなくて良い、朝食を盛り付ける為に食器の用意をしなくて良い。 ただ、子ゆっくりは親の愛情をめいいっぱい受けてゆっくりするのです。 まりさよりも一回りも二回りも小さいありすはそんなこととはつゆ知らず、 いつもなら惰眠を貪っているのに、叩き起こされたことに少し苛立ちも感じていました。 「はっきりしてね! ありすはとかいはなにどねをたのしみたいのよ!」 「ゆん、……わかった。いちどしかいわないからぜったいにききのがさないでね」 まりさは深呼吸をして体を伸び縮みさせます。一度二度三度。 「ふぅ……」 体を縮め、力を貯めこみ、それを吐き出すかのように告白をしました。 「まりさは、ありすといっしょにゆっくりしたいよ!!」 「え……」 水の音が静かに響く空白の時間。ありすはまりさの告白に度肝を抜かれました。 「そそそそそそれって!!」 口を軽く開けて驚きの表情を見せるありすにまりさはもう一押しの言葉をそっとつぶやきました。 「ありすのこと、ずっとすきだったよ!」 “わたし”という自分をいつでも見捨てないでいてくれたありす。皆に陰口をたたかれてもずっと友人でいてくれたありす。 苦楽を共にしてくれたありすにこそ、自分の人生を投げ出す価値がある。まりさにはそう思えたのです。 だからこそ、ありすの人生が欲しい。ありすが欲しい。そう思えたのはありすただ一匹です。 「で、でも、けっこんだなんて、はやすぎるわ!……とかいはなていあんだとおもうけど」 「たしかに、ありすにとってはまださきのはなしだとおもうよ。でもね、まりさはそうじゃないんだよ」 「それって、どういうこと?」 「まりさはね、きょう、せいゆんになるんだよ!」 「……ゆゆ?」 ありすは頭の上にクエスチョンマークを浮かべながらまりさの話を聞きました。 「まりさはね、せいゆんしきにでておとなになるんだ。だから、ありすとははなればなれになるんだよ……」 「きゅうなはなしね……どうしてもっとはやくしてくれなかったの!!」 感情のまま、ありすは怒鳴りました。事の重大さが朧気ながらにわかったからだそうです。 「しかたなかったんだよ……きのう、せんせいにいわれて」 「だからって、それは……」 「だからね、まりさはやくそくしたいんだよ」 「それってどういうこと?」 ありすは再度、眉を顰めてまりさの言葉の不明瞭さを感じます。 「つまり、まりさはありすがおとなになるまでだれともつきあわないってことだよ!!」 「ゆゆ、ということは……」 「まりさのこんやくゆんになってほしいんだよ!!!」 「…………」 「あ、ありす?」 ありすは無い頭を絞って考えました。風で枯れ葉が擦れる音が漂い、まりさの心をチクチクと刺激します。 自分の思いはきちんと伝えた。それだけでもまりさは満足でした。 でも、出来れば、出来ればまりさはイエスと言って欲しい。 「きょうのせいゆんしきがおわったらちゃんとこたえをだすわ」 「……ゆっくりりかいしたよ」 ありすは自分の言いたいことを伏したままその場を離れて行きました。まりさはその場でありすの後ろ髪を見守りました。 せいゆんしきはお昼に行われました。皆が集まる広場の真ん中で円を描くように新せいゆんが集められています。 その円から少し離れて、これまた円を囲うように回りには新せいゆんの両親や兄弟、友人がいました。 新せいゆん達は各々の思いを込めて胸を張り、開催式の幹事長であるおさぱちゅりーを待っていました。 「ねぇ、あのまりさって……」 「そうだよ、のろいのまりさだよ……」 そんな最中、わたしまりさは何をするわけでもなく、ただぼーと空を眺めていました。 白い雲がゆっくりと進む様をただ眺めていたのです。 「むきゅん、みんなゆっくりしていってね!!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 長の声が広場を席巻します。ぱちゅりー種が大声を上げるくらいに気合が入った式であるということがわかります。 開幕の挨拶が始まったと同時に、まりさは視線をおさの方に向けて、今までのことを思いふける作業をしました。 嫌な思い出から良い思い出まで。自分が呪われているというのにもかかわらず、自分を向かい入れてくれた家族や友人、おさ。 皆、とってもゆっくりしたすばらしいゆっくりでありました。そんなみんなに囲まれているまりさは恵まれているでしょう。 ただ、不満があるとすれば、それは…… 「それでは、きょうはせいゆんのぎしきをとりおこなうわ! そのまえに、よきょうをはじめましょう!!」 考え事をしていると、れいむたちが前の方に集まって行きました。 「「「「「れいむたちはうたうよ!!」」」」」 トップバッターを飾るのは複数のれいむでした。彼女たちは自分たちで作った歌を合唱し、回りにいる親族の涙腺を刺激しました。 「「「「「ちぇんたちはだんすをおどるんだねー!!」」」」」 れいむの歌を背景にちぇんはぴょんぴょんと跳ねたり、尻尾や耳を動かしたりして見せました。 「「「「「ありすはみんなのはなかざりさんをつくったわ」」」」」 そういえば、まりさにも花飾りが手渡されつけるよう命令されたことを思い出しました。 ボケェとしていたので、気付くのが遅れ、急いで帽子のリボンに取り付けました。 良く見たら、とっても意匠の凝ったすばらしい花飾りでした。この花飾りならきっと、皆綺麗に映っているでしょう。 「「「「「みょんははくろーけんをみせるみょん!!」」」」」 木の枝を取り出したみょん達は、その剣を規則正しく口で振り回し、勇ましい姿を見せました。 「「「「「まりさはみんなのごはんさんをとってきたのぜ!!」」」」」 最後のトリと言わんばかりに円を描いていたまりさ達は前に飛び出して行きました。 すると、中央に色とりどりのご飯が隠されていたのです。もちろん、まりさも協力しています。 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 皆の歓声とともに、せいゆんしきは盛り上がりを見せました。まりさも考え事を振りきって祭りに行じることにしました。 夜の帳に包まれて祭りが終わる頃に、まりさは満足した気持ちで川原にいました。雲ひとつない星空を見上げながらふと、足音を聞きつけました。 「まりさ……」 その声は、今朝プロポーズしたありすでした。ありすは眉をひそめた顔をしてやってきたのです。 「ど、どうしたの……もしかして、……」 「ちがうわ! ただ、まりさがおとなになってしまうだなんて……ありすなんて、こどものままで……」 「あ、ありすはせいゆんしき、はじめてだもんね!!」 「そうね、あんなにりっぱで、とかいはだとはおもわなかったわ……」 ありすには大人に成るということがよく分かっていなかったのです。いわば、自立するということを。 子供の頭でありすは必死に考えました。大人になって、まりさと一緒にいることがどれほど幸せで、大変か。 「ありがとう、ありす! そういってもらえるとうれしいよ!!」 「そうね……だから、ありす、はやくおとなになりたい」 「そ、それって!!」 「おとなになって、ありすはとかいはなれでぃになって、まりさとけっこんするわ!!」 「ありす……でも、まりさがいうのはなんだけど、まりさはのろわれたゆっくりなんだよ?」 「それでもかまわないわ。ありすがえらんだみちだし、すきでえらんだみちなの。それにけちをつけられるいわれはないわ!!」 実はありすも悩んではいたのです。まりさは呪われたゆっくりとして、群れで知らないものはいませんでした。 きっと、両親だって結婚を反対するだろう。もともと、友達関係で居たことすら拒否反応を示した親なのですから。 しかし、ありすは知っています。まりさは優しく、強いゆっくりであることを。 だから、自分は好きなんだと。どこか、他のゆっくりとは違う奥深さを持ったこのまりさに。 「わ、わたし、うれしい……なんていったらいいかわからない……」 「まりさ、わたしはあなたとであえてうれしかったわ」 「わたしもだよ……ありがとう、ありす」 皆がいない暗い場所。それは、二人だけの空間。月光の照らされる元で、影が重なりあいました。 <成ゆん編―旅立ち―> いえは自分で借りるもの、受け継ぐもの、作るもの、買うものである。 一人暮らしを始めたまりさは最もポピュラーな木の根本に穴を掘って家を作りました。 将来、二匹と子供達が暮らせるように広く作っておいたのです。 群れの一員として、テリトリー内での狩りを行い、将来の貯蓄を溜めながら細々と暮らしていました。 そんな最中、おさぱちゅりーが寿命で死にそうになっていました。隣の群れのえーりんを持ってしても、その病は治りませんでした。 ですが、おさぱちゅりーは気高く振る舞い、皆に心配をかけまいとしています。 そんなある日、まりさはぱちゅりーに呼ばれました。それは、最後の遺言だろうと、まりさは気付いていたので、急いで、おさぱちゅりーの元へ飛んで行きました。 おさぱちゅりーの家はまりさのものとは比べ物にならなく広い家です。洞窟を改善した家でした。そこは代々、おさが住む家なのです。 群れのシンボルとして存在するその場所には沢山のゆっくりが各々談話をしたり、集まる場所でもあります。 だから、まりさがやってきたことで、白い目で見るゆっくりもいました。ですが、まりさは気にしません。 おさは枯れ草のベットに包まれながら寝ていました。頬はげっそりとしてい、吐瀉物が部屋の片隅に置かれていました。 「む、むきゅ……まりさ……ひさしぶり……ね。せいゆんしきいらいかしら」 「おさ、だいじょうぶ!?」 「ええ、だいじょうぶよ。さっき、はいたからすこしからだがらくだわ」 「それって、だいじょうぶじゃないよ……」 まりさは本当に心配でした。自分が一番尊敬していたおさがこんな姿になっているとは思ってもいなかったからです。 もしかすると、自分の呪いを常に受け続けたせいじゃないかとも思えるくらいに。 「いっておくけど、まりさののろいはうそよ。そんなものそんざいしないの」 「えっ?」 子供の頃からずっと自分の悪い癖が呪いであると教えられてきたまりさには初耳でした。 確かに、自分の悪い癖“わたし”が呪いであるものかと考えたことがありますが、呪いでない証拠がない以上、呪いの可能性だってあったのです。 それについて、まりさはずっと悩んでいました。 「まりさは……わるくないの?」 「そうよ、まりさはわるくない。ごめんなさい、まりさをまもるためにはそういわなければならなかったの」 「まりさをまもるため? ……そうだね、こんなへんなこというの、まりさだけだもんね」 「わかってくれてうれしいわ。でも、もうあともどりができないようになってしまってごめんなさい……げほっ、げほっ!!」 「おさ!!」 「まりさ、きいて!」 近寄ろうとするまりさを静止したおさぱちゅりーは体を落ち着かせてから、言葉を発しました。 「まりさ、あなたにはふたつのみちがあるわ。へいぼんにくらすか、しんじつをしるか」 「し、しんじつ!?」 「ぱちぇにはわからなかったことなら、にんげんさんならしってるわ」 「にんげんさん……」 人間という言葉にまりさは不快感を覚えました。会ったことはないけれど、それは体に流れる記憶なのか。 まりさは人間というものが恐ろしい生き物であることを感じていたのです。 「にんげんさんはゆっくりにようしゃがないわ。でも、ゆっくりよりもちしきがあるのよ」 「おさよりも?」 「むきゅきゅ、わたしなんてちっぽけなそんざいよ。もりのけんじゃとよばれたけど、そんなことはないわ」 「おさは、おさは、けんじゃだよ!!」 「ふふ、ありがと。でもね、にんげんさんはものしりで、あなたをたすけてくれるかもしれない。でも……」 「でも?」 「にんげんはこわいわ。ゆっくりよりもちからがつよく、ようしゃがないの」 「なんとなくわかるよ……」 「まりさ、いまからいうことはぜったいにむれのみんなにはおしえてはだめよ」 「ゆっくりりかいしたよ……」 「まりさ、しんじつをしりたければ、やまをおりなさい。そして、はたけさんをつくっているにんげんさんにあうのよ。」 「はたけさん!!」 畑とはゆっくりにとって極上のゆっくりプレイスです。そんな場所が山を降りると存在するなんて。まりさは驚愕しました。 「けっして、はたけさんのおやさいをたべてはいけないわ。そうすると、にんげんさんはおこるのよ」 「どうしてなの?」 「たとえば、あなたがいえのたべものをほかのゆっくりにたべられるとどうおもうかしら?」 「それは……」 「そういうことよ。ただ、たいていのゆっくりはそれをりかいできなくて、にんげんさんにころころされるの。」 「おろかだね……」 「そうよ。ぱちぇたちはおろかなの。じぶんのことをなにもしらない!! まったく、ばかげているわ」 そう言うと、おさぱちゅりーは頬に涙の線が走りました。あの、立派なゆっくりが泣くなんて、まりさは驚かざるを得ませんでした。 「ぱちぇはなにもしらないまましぬの。それがくやしい!!」 「でも、すべてをしることなんて――」 「わかってるわ。わかってるけど、こわいのよ」 身震いをするおさぱちゅりーにまりさは初めて死というものを知りました。 「まりさ、まりさにはしにゆくゆっくりのきもちはわからないわ。それは、しぬときにわかるものよ」 「まりさのし……」 「よく、おききなさい。しぬまえにゆんせいをまんきつすることがゆんせいのこつよ。ぱちぇにはできなかったから、あなたなら!!」 「わかったよ、おさ」 体から散っていく枯れ草をかき集め、まりさはぱちゅりーの体に纏い付かせました。 「わかってくれたのね。あなたがつぎのおさなら、わたしはあんしんしておさをつがせられたのにっ!!」 歯噛みするぱちゅりーにまりさは微笑みました。 「しかたないよ、おさ。まりさはみんなにうらまれてるから」 「そうさせたのはぱちぇなのに……っ!!」 「ちがうよ、おさはまりさをまもってくれたんでしょ?」 「だけど!!」 「わたしは、こうかいなんてしたことがないよ。だって、すべてがさいりょうのほうこうにむいているから!!」 「さいりょうのほうこう?」 「ゆんせいとはつねにぜっこうのせんたくをしていくものなんだって、まりさはおもうんだ」 「ふふふ、たしかに、せんたくしにまちがいはないのかもしれないわ。でもね、せんたくをまちがってしぬゆっくりだっているのよ?」 「それがうんめいなんだよ」 「……まりさ、そのかんがえはすてなさい」 「どうして?」 「うんめいなんてこのよにそんざいしない。それはあてつけよ。まりさ、あなたはじゆうなの!!」 「じゆう……か。そうだね、わたしはじぶんのみちをいくよ」 「そうしなさい……これで、あんしんして、しねる……」 そう言うと、おさぱちゅりーは気絶するように眠りました。まりさは、静かにその場を去って行きました。 「さよなら、おさ」 その数日後、おさぱちゅりーは安らかな顔で死にました。その顔は、すべてを受容したかのように。 「まりさは、たびにでるよ」 両親と姉妹にそう伝えると、まりさの家族は大いに驚きました。 「どういうことなの、まりさ!?」 母れいむはまりさの固い決意を不思議に思いました。 「まりさは、たびにでてしんじつをしろうとおもうよ」 「しん……じつ?」 「まりさはどうして、わたしなのか……」 「でも、それはのろい――」 「おさがおしえてくれたよ、あれはおさのうそだって」 「れいむも、まりさも……しってるよ……」 両親のしょげる顔に、更に驚いたのは姉妹たちでした。なぜなら、まりさは本当に呪いを持ったまりさだと信じていたからです。 「どういうことなの、おかあさん? まりさはのろわれたこじゃなかったの!?」 「そうだよ、まりさをまもるためについたおさのうそだよ」 「そ、そんな!?」 「そ、それじゃあ、まりさはちしょうだったの!?」 「ちがうよ! ちょっとへんだけど、ゆっくりしたよいこだよ!!」 「だよね、そうだよね!! まりさごめん、ずっと、おそとでは、はなしかけられなくて」 姉妹は普通に話すことはあっても、仲良く話すことはなかったのです。特に、世間体を来にして外では会話すらしなかったとか。 一匹の姉れいむが泣きながらまりさに独白しました。 「れいむたちはね、まりさのこと、ずっとこわかったんだよ。のろいであのまりさがしんだってうわさがながれて……」 「いいよ、れいむ、まりさはきにしてない」 「でも!?」 「いいんだよ、もう」 「ゆぅうううう!!!」 姉妹たちの足元には小さな御池ができていました。それほど、姉妹の縁は強かったのでしょう。 ただ、呪いという言葉に騙されて、その縁が曇って見えなかっただけです。 「さいごに、おさはみんなにまりさのことはいわなかったよ。それは、たぶん、このむれからでたほうがいいってことなのかもしれないよ」 「どういうこと?」 「つぎのおさは、せんせいぱちゅりーがしてくれるからまずだいじょうぶだとおもう。 でも、のろいのことばじゃなくてしょうがいだとばれたら、たぶんまりさはせいっさいされるかもしれないよ。 『ゆっくりしていないゆっくりはしね!!』ってね。 それに、たとえのろいもちのままでも、やっぱり、ゆっくりしてないゆっくりとしてころされるかもしれないよ。 もともと、おさがのろいもちのまりさでもこのむれにいさせてくれたのはおさのちからがあったからこそなんだよ」 確かにと両親は頷きます。元はおさぱちゅりーに理解があったからこそ、まりさは今まで生きてこれたのです。 各々、感嘆する家族を見たまりさは、家の入口付近においておいた貯蓄していたご飯を半分に分けて持ってきました。 「まりさは、ありすとけっこんするためにためていたごはんだよ。ひもちするけど、ながたびになったらそうもいかないよ! だから、みんなにあげるね!! はんぶんはありすにぷれぜんとするよ!!」 「ま、まりさ……」 堰を切るように涙を流した両親は、これが今生の別れかもしれないと思うと泣かずにはいられなかったのです。 半分にした残りのご飯を帽子に入れて、ありすの家に寄りました。幼馴染のありす、それはまりさの若き日の頃の青春そのものといってもいいでしょう。 まりさは、別れを告げればいいのか、それとも楽観視してまた戻ってくると伝えればいいのか、わかりませんでした。 「とりあえず、あうだけあおう……」 まりさはその場の判断に任せることにしたのです。実のところ、うじうじ考えても結論が出なかっただけなのですが。 入り口越しからまりさは家の様子をうかがいました。すると、そこにはお寝坊さんのありすの影はなかったのです。 「ありす……はたらいてるよ」 ありすは不器用ながらもせっせと家族の手伝いをしていました。まだ未熟な体ではありましたが、一生懸命に部屋掃除をしていたのです。 「ありす……」 まりさには分かりました。ありすが早く大人になろうと頑張っていることを。それは、自分のためだということを。 「ん。あら、まりさ!」 こっそりと覗いているまりさに気づいたありすは入り口までやって来ました。 「へ、へんなところみられちゃったわね」 照れるありすにまりさは横に体を振って答えます。 「そんなことないよ。りっぱだよ、ありす」 「まりさにそういわれると、すこしおとなになったきぶんになるわ」 「ゆふふ、ありすはとかいはなれでぃになるんだもんね!」 「そ、そうよ! それまでがまんしてね……」 「うん……」 会話が途切れた二匹の間に沈黙が流れます。それは、親密だからこそ起きる、脳内での言葉選びの時間でした。 「あ、ありす!」 「な、なにかしら?」 まりさは、思い切って、思いをぶちまけることにしました。 「まりさ、たびにでようとおもうんだ!!」 「それは、どこまでなの?」 「いえないところまで……」 「となりのむれとかかしら?」 「ちがうよ、もっととおいところだよ」 「そう、それじゃあ、いってらっしゃい!!」 にこやかに笑うその姿に、焦ったまりさは言葉を継ぎ足しました。 「もしかすると、かえってこれないかもしれないんだよ!!?」 「だいじょうぶよ、まりさならなんとかなるわ!!」 「でも……」 モゴモゴと何かを言いたそうなまりさに、きっぱりとありすは答えました 「だって、まりさはありすのおむこさんなんだもん!! ぜったいに、かえってくるにちがいないわ!!」 「そ、そうだね。まりさはたいせつなはにーをのこしてしんだりはしないよ!!!」 「そうだよ!!」 「そうだよ!!」 気分がなんだか晴れやかになりました。まりさは心の何処かで挫けていたものが皆さっぱりなくなったのです。 帰ってくればいい、それだけのこと。まりさはなにをうじうじ悩んでいたのか。 本来のゆっくりが持つ極度の楽観視がそうさせるのか、まりさには光明が見えたかのような感じがしました。 「ありす、これはけっこんしたときのためのちょちくだよ……でも、これはありすがありすのためにつかってほしいんだよ!!」 「どういうことかしら?」 帽子から取り出した大量のご飯を見てありすは不思議に思い、問いました。 「ぜったいに、ふゆをのりこえてね!!」 「まりさはどうするの?」 「ふゆさんがこないところでせいかつするからだいじょうぶだよ」 「それって……」 「せんさくさんはよしてね!! まりさ、そろそろいくよ!!!」 「え、ああ、いってらっしゃい!!!」 まりさはそう言うと、ありすの家から出ていきました。 友達や知り合いに挨拶をしたら、皆、一様に驚きの表情を見せてくれました。ですが、最後には快くさよならを言ってくれました。 まりさは家に戻って支度をします。そして、数匹のゆっくりに見送られながら群れを旅立ちました。 <成ゆん編―遭遇―> まりさはおさぱちゅりーに言われたとおりに、山を下りました。川に沿って行けば、下流に人間がいると教えてもらったからです。 最初はなれない長距離移動で疲れたりはしましたが、持ち前の精神力でカバーし、なんとか旅行を続けられています。 3日も経つと、歩くのに慣れ、適度に体力を消費しながら移動できるようになりました。食べ物も川沿いの藪の葉っぱや落ち葉を食べ喰い凌いでいます。 4日目になると何とか下流が見えてきました。その近くには林や藪が見当たらず、何もない舗装された肌色の道路しか見えません。 「なんなの、このみちは!! とっても、きれいにととのっているよ!!?」 生まれてはじめて見る道路にまりさはびっくりせずに入られませんでした。 「これが、にんげんさんがつくったものなの!?」 所謂、カルチャーショックというやつでした。 まりさはこの道を歩きながら目印となる畑を探しました。途方もなく続くこの道はまりさに人間の凄さを知らされるものばかりでした。 「やはり、にんげんさんはゆっくりとはちがうちからのもちぬしだよ。これなら、わたしのしんじつもわかるかもしれない」 トコトコと歩いていると、向こうの方からびゅんと鉄の塊が走って来ました。 「ゆ、ゆゆゆ!!」 慌てて、まりさは道の端に逃げて難を逃れました。野菜を運ぶトラックが通ったのです。 「ゆっくりしてないよ……」 コレもまた、人間の物だということは分かりましたが、あまりにも早く動く車にまりさは怯えました。 「ゆゆゆゆゆ!!」 ですが、運が良かったのでしょう、念願の畑を見つけることが出来ました。棚から牡丹餅です。 「やったね、わたし!! これで、にんげんさんにあえるよ!!」 斜面を転がり落ちるように飛び降りて、用水路を跨いで、まりさは畑へと向かいました。 有刺鉄線で囲まれた畑の外周を回って、なんとか鉄線が張られていない入り口へと辿り着きました。 「ゆーん、これはきっと、おやさいさんをねらいにきたゆっくりをじゃまするためのどうぐだね」 そう考えながら、まりさは堂々と入り口へと足を踏み入れます。 「そうよ、ここはゆうかとおにいさんのぷれいすよ。だから、かってにはいってはだめなのよ!!」 まりさの背後から衝撃が走りました。緑の髪をした森では見慣れないゆっくり、ゆうかがまりさをどついたのです。 「ゆぐっ!!」 まりさは前のめりになって転がりました。丁度、大根のガッチリと太った根の部分にぶつかり止まりました。 「しょうこりもなく、きちゃって!! どうしてくれようかしら!!?」 「ま、まってね、わたしは!!」 「おやさいどろぼうはせいっさいよ!!」 衝撃で身動きが取れないまりさに、ゆうかは口に咥えたスコップの尖先を向けました。 「や、やめてね!!! わたしはただ!!」 言い終わる前に、まりさの腹部はパックリと裂けました。あたり一面にドボドボと餡子が流れます。 「げすはしになさい!!」 命が終わる。 「わた…し……しぬの……なに……」 まりさは目の前が徐々に真っ黒になりました。 <成ゆん編―農奴―> 曇り空が多くなった季節。それはすべての動物を無慈悲に寒がらせる冬。とある人間の広大な畑には、50匹程のゆっくりがいました。 そのゆっくり達は何かに怯えながら、作業をしています。慎重に、そして丁寧に。不器用なゆっくりながらも慣れた手つきで行います。 その背後にはゆうかがいました。育てているお野菜を食べないように監視する役目と、仕事のレクチャーをする役目です。 それは、4匹に1匹程度の割合でゆうかが配置されていました。 「こら、そこ、てをぬくな!!」 「ゆひぃいい!!!」 樹の枝で打たれたゆっくりは痛みのあまり、跳ね回ります。その姿を見て回りのゆっくりも恐怖を感じながらも作業に徹します。 そのゆっくりの中に、あのわたしまりさもいました。まりさは、辛うじて生きていたのです。 「ゆうか、おやさいさんのことなんだけど、このだいこんというのはいつでもはえてくるんだよね?」 他のゆっくりとは物怖じせず、ただ、監視役のゆうかと話していました。 「そうよ、とくにあきからふゆにかけてのだいこんはぜっぴんよ! あなたも、うれないだいこんをたべたでしょ?」 「うん、たしかにそうなんだよ。このだいこんがあれば、みんながやさいをそだてるぎじゅつがあれば、ゆっくりやにんげんはしあわせになれるんじゃないかって」 持論を展開するまりさにゆうかは自分の知恵をひけらかすように話しました。 それもそのはず、監視役のゆうかは全て金バッチなのですから、プライドがあります。 「それは、あなたがとくべつなのよ。ふつうは、りかいできないものよ」 「それもそうだね……ふとおもうんだけど、うれないやさいさんがでるというのがふしぎなんだよ。なぜ、にんげんさんはたべられるものをすてるの?」 「おかねのはなしになるはね、それは」 「おかね? ゆん、たしかほかのものとこうかんするためにつかうどうぐのことだね」 「ものおぼえがよくてうれしいわ。おかねがあるからこそ、おやさいさんをよりよくそだてられるためのどうぐをかえるのよ」 「なるほど、おしごとさんをわけているわけだね。ゆっくりにはそれができるほどかずがあつまらないし、ぎじゅつもないし…」 スポンジのように知識を吸収する様を見て、ゆうかはこのゆっくりは教えがいがあるなと感じました。 最初の頃は、何をするにいたって、質問攻めをして、鬱陶しいと思ったのですが、そのことを畑の持ち主である人間に報告したところ、 知ろうとするゆっくりには知識を与えて上げなさいと言われていたので、ゆうかは渋々教えていたのです。 時々、飼い主である人間のことが分からなくなるゆうかでした。他になぜこんなことをさせるのかと質問してきたゆっくりはことごとく、 自分のゆっくり理論を展開して、駄々をこねて仕事をやめようとしたからです。そういうゆっくりは死刑になります。それも、公開処刑です。 ですが、まりさは違いました。純粋に色々なことを聞き出そうとするのです。ヘタしたら、ゆうかでも答えられないことまでも。 「ん? ゆうかどうしたの?」 もみあげを器用に使って、如雨露で水撒きをしていたまりさが心配そうにゆうかを見つめます。 「ゆゆゆゆ、な、なんでもないわよ!!」 「ゆーん?」 ゆうかは顔を真赤にして背けます。まりさは熱でも出たのかなと心配そうにゆうかのことを見つめました。 「ぬぁああん、つかれたもうぅ!!」 いっぴきのれいむが屁をこきながら、“げっとー”と呼ばれる木製の長方体にできているタコ部屋に入りました。 「おならさんはやめてね!! くさいよ!!」 「そうだよ」 「あ、そうだ。おい、れいむぅ、しごとのときまりさのこと、ちらちらみてただろ?」 「なんでみるひつようがあるんですか?」 「あ、おいまじ、れいむさ。ちぇんたちがしごとしてたときみてただろーわかるよー」 「そうだよ」 各々、雑談を繰り広げながら、壁沿いに設置された自分の寝床に行きます。 一番奥は農奴ゆっくりの中でもリーダーが座れる場所です。わたしまりさはそこに居ました。 まだ2ヶ月ちょっとしか居ない新参者のまりさがリーダーの席に座れたのは、前のリーダーを蹴落としたからです。 というのは、前のリーダーであるまりさは暴力をふるい、皆のご飯を巻き上げ、取り巻きたちと分け与えるような屑だったからです。 そのリーダーまりさを倒したのはわたしまりさでした。手段は簡単、実力行使とゆうかへのちくりです。 子供の頃とは違い、まりさは喧嘩がとてつもなく強くなったのです。多分、捕食種にも劣りません。 ゆうかにやられたのは不意打ちで、正々堂々戦っていたらまりさが勝っていたでしょう。 まりさの強さに関しては後述で述べさせていただきます。 ともかく、懇意にしているゆうかに報告し、悪を掃除したことで、次のリーダーはまりさになりました。 「みんな、きょうもいろいろおはなしをきいてきたよ!!」 「ゆゆまりさのおはなしがはじまるのぜ!!」 まりさが声をかけると、一斉に部屋のゆっくり達が喜々とした表情でやってきます。 「それじゃあ、きょうはおかねさんについてはなすよ!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 大統領演説のように、まりさは声を張り上げて、色々なことを話しました。 その話はゆっくりにわかりやすいように人間とゆっくりの違いについてを話すものです。 「ようするに、にんげんさんはおかねさんをつかってせいかつをしているんだよ!!」 「ごはんさんをあつめなくてもせいかつできるのぜ!?」 「もちろん。つくったものをおかねにこうかんして、おかねでごはんさんをかえばいいんだよ!!」 最初は野菜はどうやってとることが出来るかの演説をしたのですが、誰も見向きもしませんでした。 ですが、持ち前の熱血漢の性が働いて、一生懸命、噛み砕いて話すことにより他のゆっくりも理解するようになりました。 何度も何度も、同じ話を続けることはまりさにとって面倒でしたが、物覚えの悪いゆっくりにはしかたのないことです。 まりさは思うのです。相互に理解を進めていけば、無駄ないざこざは怒らないと。だから、まりさは啓蒙するのです。 「そろそろごはんだよー」 ご飯を運ぶ担当のゆっくりがやって来ました。持ってきた腐ったり傷んだり形が変な野菜の入ったご飯をまりさの元へ置きます まりさは均等にそれを配分しました。 「きょうもおつかれさま、ゆっくりいただきます!!」 「「「「「「いただきまーす!!」」」」」」 今日も一日お疲れ様。まりさはそう思いながら、目の前にある野菜を頬張りました。 所変わって、人間の家。畑の警護に武装したゆうかを半分残して、あとは人間の家でご飯を食べていました。 ご飯の内容は、げっとーのものとあまり変わりません。 「ゆうか、あのまりさとだいぶはなしてたけど、だいじょうぶ?」 「なんのことかしら?」 「とぼけちゃって……」 畑でまりさと話をしていたゆうかは何のことなのかさっぱりわかりませんでした。 「あのまりさ、なかなかかしこいのはしってるわ。それに、いけゆんだしね」 「そ、それがどうしたのよ!!」 「ほれたんじゃないの?」 「ば、ばかね!! あんなきほんしゅなんてわたしのがんちゅうにないわ!!」 ゆうかは頬を染めて体を横に振りました。ですが、内心、まりさに恋心を抱いているのかもしれないと懐疑的になりました。 「ゆうかはただ、まじめなゆっくりにべんっきょうさをおしえているだけよ……」 野菜が盛りつけられた皿に視線を集中させ、ゆうかは無心に野菜を食べました。 ゆうかは悩みます。まりさと顔を合わせるのが楽しくなってきていることを。そして、それが生まれて初めて持つ恋心かもしれないということ。 同じゆうか種に囲まれながら、凡百を支配しながら生きていた自分に対等で異種の存在が現れた。 それが、ゆうかにはショックでした。この気持に、ゆうかは正直になれるのかなと思います。 確かに、まりさは基本種で野良のゆっくりです。それでもなお、ゆうかには恋心を抱くに値するゆっくりだと思いました。 いつもの様に畑の労働をしている時です。ゆうかはまりさに話しかけられるより前に思い切って気持ちを打ち明けました。 「ま、まりさ! わ、わたし!!」 「ゆゆ、いいところにゆうかがきたね。ちょっと、おはなししてもいいかな?」 「ひゅい!?」 何時もと違うにこやかなまりさとは違い、至って真面目な顔をしていました。 もしかして、まりさもゆうかに何かを打ち明けたいのだろうか。ゆうかは心をドキドキと震わせて聞きます。 「ゆうか、まりさはね……」 汗が出てきました。まりさの顔が何時も以上に格好良く見えてしまうのです。 「にんげんさんにあいたいんだ」 「え?」 待っていた答えと違うことにゆうかは驚きましたが、更に驚いたのはまりさの発言の内容でした。 「まりさは、にんげんさんにあうためにこのばしょにきたんだよ。だから、あいたいんだよ」 「ゆうかのことは……あそびだったの?」 「え?」 「ゆうかより、にんげんさんにあいたいの?」 なんだか惨めな気がしてなりませんでした。ゆうかはどうしようもなく悲しくなったのです。 自分はまりさに惚れているし、惚れられていると錯覚を覚えたこと。そして、自分は人間さんと繋がるための道具にされたんじゃないかということ。 ゆうかの頭の中はぐわんぐわんと色々なことが重なって、それが嫉妬に繋がりました。 「どどどど、どうせ、ゆうかはまりさみたいなざこゆっくりなんかどうでもいいんだから!!」 「どうしてそんなにおこっているの!? まりさにはわからないよ!!」 「うるさいうるさいうるさい!! げすなまりさなんかしらない!!」 そう言うと、ゆうかは持ち場を離れて去って行きました。その日はゆうかを見ることはありませんでした。 「ということがあったの」 カーキ色のロングコートを来たおじいさんはゆうかの報告を縁側で聞いていました。 そして、報告が終わったゆうかの頭を撫でると、おじいさんは立ち上がりました。 「それは変わったゆっくりじゃな。私に会いたくて山を降りたゆっくりか」 「たぶん、おやさいさんをねらいにきたとかそんなんじゃないとおもうわ」 「じゃあ、なんじゃろうな? 少し興味が湧いてきたわい」 おじいさんはストレッチをして体をほぐしました。 「ゆうかは、まりさにかおむけできない……どうしたらいいの、おじいさん? ゆうか、ひどいこといっちゃった……」 悄気るゆうかは気持ちが安定しないのでしょう。どうしたら良いかわからないみたいです。 「それなら、一緒に謝ってあげるよう。それならいいじゃろ?」 「おじいさんといっしょならだいじょうぶかも」 人間さんならきっと大丈夫かもしれない。だって、ゆうかやその他のゆっくりを凌駕する知恵の持ち主だから。 そう思うとゆうかは少し心が楽になりました。 「まりさの場所へ案内してくれないか?」 「いいわよ!」 跳ねるゆうかの後ろをおじいさんはヨチヨチと使い古した長靴で追いかけました。その光景はまるで、孫とおじいさんの関係のようです。 おじいさんが作った“げっとー”。犬小屋を長くしたそれは、人間が入るには少しきついものでした。 なので、ゆうかに引き連れられるようにまりさは“げっとー”から出てきました。 もしかして、ゆうかに粗相をしたまりさがせいっさいされるのではないかと心配で“げっとー”の仲間たちも遠巻きなが見ていました。 「まりさ、初めまして。私は双葉敏夫というものじゃ」 「に、にんげんさんもわたしっていうの?」 まりさの言葉に疑問符を浮かべました。 「私がどうかしたかのう?」 今まで貯めてきた辛いこと、分からないこと、いろんな感情を込めてまりさは告白します。 「わたしはまりさだよ! わたしはわたしなんだよ!! どうして、わたしはわたしなの!!?」 “わたし”という言葉を使うまりさにおじいさんは驚きました。 「珍しいのう。古代種でもあるまいし。中身だけ古代種なのか?」 「にんげんさんはわたしのことがわかるの?」 縋るような目つきなまりさにおじいさんは少し困った表情を浮かべました。 「すまんが、私にもわからんことはあるんじゃ……これでも昔はゆっくりの研究をしていた身ではあるがのう……」 「そんな、にんげんさんにもわからないの……」 望みが絶たれた思いがまりさを席巻します。あまりにもがっかりしているまりさに見かねたおじいさんはボソリとつぶやきます。 「調べれば分かるかもしれんが……その、おまえさんが自分のことを“わたし”と呼ぶ原因がな」 「ほんとぉ!?」 パァとまりさは笑顔を見せました。まだ、希望はあるんだ。死んだぱちゅりーの思いはまだ挫いていない。 そのことだけで、まりさは幸せになりました。やはり、人間にあってよかったと。 「そうじゃな、私の好にしてもらっている加工場に連絡をとって、検査してもらえば大丈夫じゃろ」 「か、かこうじょう……」 加工場という言葉に周りのゆっくりはざわめき始めました。やは、まりさは処刑されるのかと。 「安心せい。ただ、検査を受けるだけじゃ」 「ゆ、ゆう、でもかこうじょうはゆっくりできない……」 本能的な部分で加工場にまりさは忌避感を示します。やはり、同種が殺される場所に行くのは気がひけるようです。 「なら、分からないままで良いのか?」 「それは……」 でも、まりさにはやらなければならないことがあります。生きている意味を知ることです。 「信用しろとは言わんが、手助けはしてやろう。なにせ、私に会いに山を降りたのだろう? 客人を饗すのが人間というものだ」 「……わかった、おじいさんのことしんじるよ」 おじいさんは少し微笑みました。 「それじゃあ、加工場に連絡がついたらまた来るよ。おっと、その前に……ゆうか、言いたいことがあるんじゃなかったかのう」 「うっ!?」 おじいさんの後ろでコソコソとしていたゆうかが、まりさの前に現れました。 「まりさ……」 「ゆうか、どうしたの?」 もじもじとしながらゆうかは声を出しづらそうにします。 「えっと……ゆうかは……」 「ゆうかは?」 「ゆうかと……いっしょにゆっくりしてね!!」 他の“げっとー”のゆっくりやゆうかたちが一斉に驚きの声を上げました。 「「「「「ゆえぇえええええええええ!!!???」」」」」 恥ずかしくてつい大声で本音を告げてしまったゆうかは取り返しのつかないことをしてしまったと後悔しました。 まりさの顔をゆうかは怖くて見れません。ですが、まりさはゆうかに言いました。 「ごめん、まりさはこんっやくしてるんだ……ほんとうにごめん」 その言葉にゆうかは反応が遅れてやって来ました。 「え、あ……うん、ごぢらごぞごべんなざい――う、うわぁああああああああああん!!」 赤っ恥をかいたのが悲しくて泣いたんじゃなく、生まれて初めての初恋が敗れたのが悔しくて泣きました。 おじいさんはただ、ゆうかを抱きかかえ胸を貸してあげました。 数日後、まりさは白くて大きな建物、加工場にいました。清潔すぎる建物の材質は人工のもので、自然に馴染みのないものばかりでした。 それが、あまりまりさは好きじゃありあませんでした。どうも、自分が阻害されている気分に陥るからです。 加工場という存在そのものがゆっくりにとって邪悪なものだからでしょうか。原因はわかりません。 たくさんの白衣を来た人間さんにまりさは色々なことを聞かれました。知能テストや面談とか。 身体能力を確かめるために動く床を走らされたり、ぴょんぴょんを疲れるまでさせられたり。 壁に体当たりをしてみたり、終いにはうんうんとしーしーを採取されたり。 人間さんが何をしているのかはまりさにはよくわかりませんでした。ですが、一生懸命に自分のことを調べてくれていることだけは分かりました。 おじいさんと一緒に一室で待機していると、おじいさんはまりさに言いました。 「自分のことが分かるというのは結構、嬉しいことだ」 その言葉にあのおさぱちゅりーの影を慕いました。おさぱちゅりーは自分の知恵の限界を感じながら死んでいったのです。 その悔しさはまりさには十分伝わりました。だからこそ、今のこの状況を祝福したいとも思っています。 「じゃがの、分かったところで、生きている意味は分からんものさ。それに、分からないほうがいいこともあるんじゃよ」 おじいさんの言葉にはどこか悲哀が満ちていました。それは人間がもともと持つ不幸なのかなとまりさは思います。 「でも、しらないよりしっているほうがこうふくだとおもうよ」 まりさはそう信じました。頑なに信じました。それが、まりさを生かしている原動力だからです。 「結果が出ましたので、双葉さんとまりさちゃんは談話室まで来てもらえませんか?」 「結論から言いますと、おたくのまりさちゃんは―――」 <成ゆん編―帰還―> 春、それは雪解けの時期。すべての生き物が目覚め始める日です。太陽がのぼり、植物は輝きを増します。 おじいさんの畑も例外ではありません。ポカポカお日様の元で、まりさを含め、農奴ゆっくりたちは山の斜面近くの畑の入り口に居ました。 「まりさ、さみしくなるわね」 あのまりさに告白したゆうかは仲直りをして友達になったのです。 「みんな、みおくりありがとう。わたしはむれにもどるよ」 まりさは自分の知るべきことを知ったので、群れに帰ることにしました。もちろん、おじいさんに許可をとっています。 「「「「「ゆう、まりさぁ……」」」」」 “げっとー”の仲間たちは涙を浮かべてまりさを見送ります。 「それじゃあ、わたし、かえるね!」 みんなに見送られながらまりさは山へと消えて行きました。 久しぶりの山はまりさにとって、勘を思い出させる場所でした。危険な生き物を避けて、食べられるものを得る。 そうやって、危険と隣り合わせになりながらも生きることを思い出しながら、まりさは群れの入り口にたどり着きました。 「ゆゆ、そこのみかけない………もしかしてまりさだみょん!?」 「そのこえは、ようむだね! おひさしぶり!!」 入り口で警備をしていたようむはまりさと顔なじみでした。がっこうの頃の友達です。 「かえってこれたんだね、よかったみょん!」 「みょんもふゆごもりだいじょうぶだったんだね!!」 「かぜのうわさで、まりさがしんだときいていたからおどろきさんばいだみょん!!」 「そうかんたんにはしなないよ!!」 体を張ってまりさは元気アピールをしました。 「それはよかったみょん……でも、このむれはあまりよくないみょん」 「ゆゆ? どうして?」 元気に乏しい顔をするのでまりさは群れになにか起きたのだと察知しました。そして、一番最悪なことを思いつきました。 「もしかして、ありすに!!」 「それはだいじょうぶだみょん。ただ……」 「もったいぶらずにおしえてね!!」 ようむは決心してまりさに告げました。 「ありすはちぇんとけっこんしたよ」 群れのゆっくりはおさが変わったことでとってもゆっくりできなくなってしまった。そう、ようむは言うのです。 原因は群れのおさが暗愚になってしまったからだそうです。そのおさこそ、あの小さい頃にまりさを侮辱したゲスまりさの妹がなったのです。 そもそも、この群れは世襲制だったので自然とそうなりました。ゲスまりさの中身を同じくしてなのか妹もかなりのゲスでした。 なんといっても、冬ごもりの時の対応が最悪だったの一言です。嫁のでいぶのために貯蓄を独占し、他のゆっくりに冬ごもり用のご飯を分け与えなかったのです。 もとより、自分たちでご飯を貯めていたものは生き延び、貯めていなかったゆっくりは餓死しました。 そうやって、生き残ったゆっくりたちに追い打ちをかけるようにおさは重税をかけました。 冬にあまりの寒さにすーりすーりをし過ぎて子沢山になったからです。その子どもたちとでいぶを養うために群れのゆっくりを働かせました。 ですが、今のまりさにはそんなことお構いなしです。とにかく、ありすの安否が気になりました。 ようむが言うには、小さい頃、ゲスまりさにゆっかーされていたちぇんがありすを娶ったというのです。 まりさには何がなんだかわかりませんでした。一切合切、何がどうなってこうなったのだろう。 ありすのかぞくが住んでいたお家にまりさは辿り着きました。そこからは子供の声がちらほら聞こえます。 「わきゃるよーおきゃーしゃんはとっちぇもゆっきゅいりてりゅね!」 「ゆふふ、ありがとう」 その声は紛れもなくちぇんの子供の声で、そして、ありすの声でした。 「あ、ありす……」 その場から去ろうとしたところ、後ろから声をかけられました。 「ま、まりさ! いきてたんだねー!!」 「ちぇん!?」 ご飯を口いっぱいに含んだちぇんが居ました。その姿は貧弱だった小さい頃とは違い立派な大人になっていました。 「よかったよ! まりさ!!」 「え? まりさ……」 「その、えっと……」 何事かと玄関から出てきたありすがまりさの顔を見て信じられないという表情を浮かべました。 「ただいま」 「おかえり……」 顔を合わせ辛いのか、ありすとまりさは顔を合わせようとしません。不思議に思ったちぇんはまりさを家に入れることにしました。 「まりさのもらったごはんさんで、ありすとありすのおとうさんとおかあさんといもうとたちはいきのびることができたわ」 子どもたちがまりさを物珍しそうに眺めながら飛んだりはねたりしていました。 大人たちは真面目な顔で話し合いをしています。 「それはよかったよ。でも、その……」 まりさは言い出せずに居ました。なぜ、ちぇんと結婚してしまったのかと。 「それはちぇんからはなすんだねー」 気持ちを察したのかちぇんが割り込みました。 「まりさはかぜのうわさでしんだってきいたんだよーだから、ありすをまりさのかわりにまもらないとっておもったんだよー……」 「そうなの……ちぇんはわるくないわ。わたしがわるいの」 自分がしでかしたことが以下に重いのか、改めてまりさは知りました。 確かに、群れからさるゆっくりなんて追放ゆん以外まずありえない。そして、彼らの末路は死ぬことばかりだ。 それを踏まえて考えれば、まりさが死んだなんて噂が広まるのはありえるだろう。 まして、自分は呪いのまりさだ。死んでほしいと願うゆっくりは何匹かいたはずだ。 「そうだね、ぜんぶまりさがわるいよ」 「でも!」 「いいんだよ。それに、ありすがしあわせなら、まりさは……」 ありすの横で暇を持て余しているおちびちゃんを見ていると、まりさは気持ちがほっこりしました。 幸せなら、それでいいんだ。そう、自分に言い聞かせることにしたのです。 「ところで、まりさはなにをしていたの?」 「それはね――― まりさは人間のところへ行った話をしました。そこで、畑を見つけ、畑で働いていたことをいいました。 そして、人間の世界へ行き、加工場へ行った話もしました。 「おやさいさんってかってにはえてこないの!?」 「かこうじょうにいったってほんとなの! まりさ!! わ、わからないよー!!」 そんなにびっくりすることじゃないよとまりさは思いましたが、ゆっくりと“げっとー”の仲間たちに言い聞かせるように教えました。 「そんなことがあったんだねーよのなかわからないよー」 「そ、そうね。まりさはやっぱりすごいわ」 「わかるよー」 「そ、そんなこと……あ、そうだ。これ、おみやげだよ!!」 そう言いうと、まりさは帽子の中からクズ野菜を取り出しました。これは、ありすの婚約指輪がわりに持ってきたものです。 「せっかくだし、ゆっくりたべてね!!」 「ゆ、ゆわ~ほんもののおやさいさんだ!!」 「わわわわ、わかるよー!!! ゆっくりしてるよー!!!」 ちぇんとありす、そのおちびちゃん達は飛び跳ねて喜びました。つい天井に頭をぶつけてしまった夫婦だが、そんな痛みへっちゃらです。 「じゃあ、みんなでわーけわーけして「ちょっとまってね!!」ゆゆ?」 玄関からゆっくりしてない声が聞こえてきました。 「だれなの?」 声の本人は一匹のれいむでした。ですが、茄子型に太ったゆっくりしてないれいむです。 「このおやさいはでいぶのものだよ!! ついっほうされたくなければよこすんだよ!!」 「そ、そんな……」 ちぇん夫婦は眉の端を下げてがっかりした表情を浮かべました。 ですが、まりさにはなぜこんなれいむにいい負けているのかが不思議でなりません。 「おちび。これはまりさがもってきたおやさいさんで、ありすとちぇんにあげたものだよ。だから、おちびのものじゃないよ」 まりさは優しくれいむにいいきかせました。まあ、多少語弊はありますが。 「でいぶはおちびじゃないぃいいいい!! このくそなまいきなまりさはなんなの!!??」 「そういうれいむこそいったいだれなの?」 疑問をぶつけるとれいむは威張り散らした態度で答えました。 「ゆっへん、れいむはこのむれのおさのむすめだよ!! よそものがずがたかいよ!!」 「まるで、おうさまきどりだね。そんなんじゃ、ゆっくりできないよ」 「うるさいぃいいいいい!! でいぶさまがゆっくりしてるんだからゆっくりしてるんだよぉおおお!!!」 「はなしがつうじないよ」 「いいから、そのおやさいさんをよこせぇええええ!!」 お野菜さんにかぶりつこうとするれいむですが、ポインポインと跳ねるスピードはとっても遅いです。 まりさは少し体をぶつけて阻止しました。 「ゆげふっ!!」 「ま、まりさ!!」 なるべくダメージを与えないように気を使って体をぶつけました。 「おいたはだめなのぜ、おちび」 「いたぃいいいいいいいい!!!!」 れいむは細長い体をぐでんぐでんと駄々をこねるように地面に叩きつけました。 「まりさ! おさのむすめにはむかったら……」 冷や汗をかいたありすがまりさに言いますが、まりさは体を横に振って答えます。 「だいじょうぶだよ。どうせ、このむれからでようとおもってたところだから」 「でも!!」 「そのまえにやらなくちゃならないことがあるみたいだけどね」 玄関から出たまりさはある場所へと向かいました。そこはまりさにとって馴染みのある場所です。 「で、おまえはわざわざまりささまにころされにきたのかぜ?」 「ゆぷぷ、まさか、あのひきょうなまりさがいきてたなんて」 まりさはおさぱちゅりーが住んでいた家に居ました。そこで、おさになった妹まりさとその嫁のでいぶと対峙しました。 「ごたくはいいのぜ、しにたいやつからかかってこい!!」 「ゆふん、ひきょうなことしかできないまりさはこのまりささまがじきじきにころしてやるのぜ!!」 「ゆーん、まりさかっこいいよぅうう!!」 おさまりさは私腹を肥やしたボディーででっぷりと大きく育っていました。 この大きさはゆっくりの強さに比例し、体当たりしか出来ないゆっくりにはアドバンテージが与えられます。 ですが、まりさはそんなこと気にしないようです。 「まりさすぺしゃるとるねぇいでぃおーばーどらいぶすたんぷぅううう!!!」 その小さいからだを踏みつぶしてやろうという勢いでおさまりさはまりさを潰そうとします。 しかし、それを冷静によけたまりさは背後に周り、弛んだ背中の皮に噛み付きました。 「ゆがぁああああよけるんじゃな、いぃいいいい!!!?」 そのままジャイアントスイングの要領でおさまりさをブンブンと振り回しました。 「ばかしょうじきにたいあたりするとおもったの?」 口が動かないのに喋られるのはゆっくりの七不思議です。あれ? 前にも言いましたっけ? まあ、置いといて。まりさは十回ほど回したあとにポイッとおさまりさを放り投げました。 「ゆわばっ!」 衝撃で歯が数本抜けたおさまりさはそのまま気絶してしまいました。 残されたでいぶはしどろもどろするわけじゃなく傲岸不遜に席に居座っていました。 「ゆふん、なかなかやるじゃないか、のろいのまりさ!!」 「わめくしかのうのないやつがよくいう」 「うるさいぃいいいい!! おい、どれいども!! はやくあのまりさをころせぇえええ!!」 号令とともに八匹のゆっくりが集まって来ました。どいつもこいつもニタニタとゲスな笑みを浮かべています。 「よくもまあ、このむれをこんなにしてくれたなぁあああ!!」 樹の枝で四方八方を囲まれたまりさは怒鳴りました。おさぱちゅりーが築いた物を破壊されて怒りが頂点に達したのです。 「しゅうせいしてやる!!」 数分後、八匹いたゆっくりは皆、気絶していました。まりさの鬼のような強さに負けたのです。 「まだやるのか?」 「ゆ、ゆひぃいいい!! あんなにたくっさんいたのにぃいいいい!!!」 「まだやるのかときいてるのぜ!!」 「ご、ごめんなさいぃいいいい!! でいぶがわるかったですぅうううう!!!」 泣きわめきながら土下座するれいむにまりさは呆れました。 「じゃあ、なにがわるかったの?」 「ゆえ?」 「なんであやまってるの?」 「それは……でいぶなにもわるくないよ! まりさはさっさとしんでね!!」 まりさはため息を付きました。コレが群れの現状なのかと。そして、ゲスだと。 「これにこりたら、もうにどとむれのみんなにひどいことをするんじゃないのぜ……」 まりさはそう言い残すとおさの家から去りました。 「ということをしてきたよ」 久しぶりにあった家族は頬がこけていました。ですが、まりさの報告を聞いて喜びました。 ですが、この群れには居られ無くなってしまうことがとっても悲しくて、素直に喜べませんでした。 「これから、どうするの?」 「いっしょにはたけさんではたからない?」 「え? はたけさん? おやさいさんがはえてくるばしょがあるの?」 「はは、ちがうちがうよ」 まりさはお野菜さんについて説明し、納得してもらいました。 「どうせ、まりさのことでこのむれにいられなくなるんだから、いっしょにいこうか……」 両親は頷き合い、まりさと一緒に人間が経営している畑に行く事にしました。 まりさは群れを出るときに少し後悔しました。それは、ありす夫婦を連れて行かなかったことです。 なぜ、連れて行かなかったかというと、ありす夫婦のおちびちゃん達が長旅に耐えられないからかもと考えたからです。 故郷を離れることで、まりさは少し泣きました。ですが、おさぱちゅりーの思いは絶対に守りぬこうと思いました。 <成ゆん編―動乱―> 畑に戻ってきたまりさ達は快く受けいられました。“げっとー”の仲間たちやゆうか達は大喜びです。 おじいさんも出迎えに来てくれました。 みんなが笑顔であることが一番まりさには驚きました。 “げっとー”の仲間から聞いた話だと、ゆっくりの労働環境が改善されたそうです。 土地に縛られた農奴制から自由に山に帰っていいようになったのです。 そして、ゆうかが優しく物事を教えてくれるようになりました。それもこれも、まりさのお陰だと“げっとー”の仲間たちは言います。 「けっこんしよう」 まりさは改めてゆうかにプロポーズし、結婚することになりました。それは、妥協じゃなくて本当にゆうかを愛していたからです。 他のゆっくりは山に畑のことを伝えて畑に新しい住人を呼び寄せたりもしました。失敗は多々あれど、ゆっくりやって行けています。 おじいさんもその姿に感化されたのかゆっくり用の土地を広げてくれたりしました。 これで、めでたしなら、ストーリーはしあわせな物語で終わったのかもしれませんね…… 畑の入り口にぞろぞろとゆっくりが集まっていました。 「ゆゆ、あたらしいにゅうきょしゃかな!?」 一匹のれいむがその集団に声をかけました。 「おーい、みんなゆっくりして「おやさいをどくせんするゆっくりはしね!!」ゆぇ……ぐばっ!!」 目をギラギラとさせた一匹のまりさがれいむを樹の枝で刺殺しました。 「て、てきしゅうだ!!」 畑は戦場となりました。山から百匹以上のゆっくりが襲ってきたからです。 畑のことを知らせたのが裏目に出たといっても過言ではないでしょう。 山のゆっくりが野菜が勝手に生えてくると頑なに信じていたので、争いが起きたのです。 「ゆぎゃぁあああああああ!!!」 阿鼻叫喚が支配する幸せの象徴だった畑。そこは野菜を食いつくす蝗とかした山のゆっくりによって占領されてしましました。 ゆうかやまりさ達農奴ゆっくりも頑張って戦いました。30匹の犠牲を出しながらも、なんとか山のゆっくりを追い出すことに成功しました。 遅れてやってきたおじいさんは畑の惨状を見てがっかりし、最終手段を使うことにしたのです。 「やまのゆっくりがぜんめつしたの!!??」 「そうじゃ。私が加工場に頼んだ……」 おじいさんは加工場に電話を入れて山のゆっくりを駆除してもらったのです。 まりさはその報告に驚きを隠せませんでした。なぜなら、山のゆっくりにありす夫婦が含まれているからです。 「そんな……ぜんりょうなゆっくりだって……」 「私はな、まりさ」 おじいさんは申し訳なさそうに語ります。 「この畑が無事ならそれでいいんじゃよ」 「どうして……」 「この畑は私が加工場でやってきたことへの贖罪なんじゃよ」 「しょくざい?」 「そうじゃ。私は、加工場の技術部にいたんじゃ。そこで、ゆっくりをいかに痛ぶり殺す方法があるか考えていた」 「そ、そんな……」 あんなに優しいおじいさんがそんなことをしていたことにまりさはショックを受けました。 「ゆっくりの味をコントロールする方法ばかり考えていて……本当はゆっくりと人間が一緒に暮らせる方法を探りたかったんじゃ」 おじいさんが子供の頃の夢だったことを教えてくれました。 おじいさんがおちびちゃんだった時、一匹のゆうかを飼っていたそうです。 そのゆうかはおじいさんととっても仲が良かったのです。しかし、ゆうかにはおじいさん以外の友達がいませんでした。 ゆうかに友だちを作ってやりたいとおじいさんは一生懸命に頑張ります。 試行錯誤をして、色々やってみたものの、ゆうかが生きている内に友達をつくることはかないませんでした。 おじいさんは決心しました。絶対に、どんなゆっくりでも一緒に幸せになれる世界を作りたい。そして、そこに自分が居たいと。 一生懸命に、おじいさんはゆっくりの勉強をし、加工場へ就職しましたが、そこで自分のしたい仕事はできませんでした。 やっとしたいことが出来たのはおじいさんがおじいさんになってからです。畑を使ってゆっくりに共同作業をさせてみました。 それでも、上手く行かなかったのですが、あのわたしまりさが来て一変しました。 ゆっくりの意識が様変わりしたのです。みんなで、何かをすることで一緒にゆっくりしようと。 そこまでは良かったのですが、ちょっと気を許した時点でおじいさんの目論見は崩れてしまいました。 「私は、私の世界が十分であれば、それでいいんじゃ……」 まりさはキッとおじいさんを睨んで反論しました。 「それはちがう!! わたしは、そんなせかいをのぞんじゃだめだとおもう」 「なぜじゃ……」 「しらないだれかのゆっくりをいのることにいみがないなんてことはないよ!!」 「それは詭弁だよ……所詮、生き物は目に見えるものが幸福であればいいんじゃ」 「ちがうよ……せかいはそんなにちいさくない……」 「寝言を言うな! そんなことしても意味が無いじゃろ!」 「わたし、わたしがうまれたいみ。それはたぶん、このじょうきょうのためなのかもしれないよ」 「それは……お前が自我を持っているからか?」 「そうだよ……」 まりさには自我があります。ゆっくりには自我がありません。なぜでしょう? それは自分のことを他多数と同じものだと思い込むからです。 まりさは違います。まりさは自分のことを私と区別をしているからです。 それが、わたしまりさの真実です。 まりさは頭が良いゆっくりです。検査でも人間並に賢いゆっくりであることが分かりました。そして、なによりも餡子の質が全く違うのです。 なにか別次元の粒子がまりさには含まれているのです。それは、何もかもをゆっくりさせるという粒子がうんうんに含まれていました。 まりさが生まれた意味、それは――― <成ゆん編―レーゾンデートル―ノーマルエンド> ある一匹のびゃくれんが人をゆっくりを救いました。 そのびゃくれんは自分のことをわたしと呼びます。 変わったことにびゃくれんはまりさの帽子をかぶっていました。 ですが、びゃくれんはそんなこと気にせずに、色々なことにチャレンジして行きました。 それはそれは自分の都合の行かないことばかりです。 ですが、世界はそうやって理不尽であることを知りました。 わたしまりさの伝説はココで終わりです。 なんつって。 <成ゆん編―素晴らしきこの世界―> まりさの世界は通常運行です。畑で働きながら、ゆうかやおじいさんに話を聞き、それを自分の知恵にしていく。 その知恵を他のゆっくりにも伝えて行きました。 ですが、世界は変わりません。ただし、各々の世界は変わって行きました。 ゆっくりや人間、他の動物は救われることはないのだろうかとわたしまりさは考えます。 徐々にまりさは自分がびゃくれんであることに気づいていきます。というより、まりさはびゃくれんに変身していったのです。 そして、おじいさんにびゃくれんがゆっくりをみんなゆっくりさせたい思考の持ち主であることを聞きました。 ですが、まりさはじぶんがまりさであることに誇りを持っています。 なによりも、びゃくれんの本能なんかよりも、自分は自分の考えを持っていることを自負しています。 帽子で隠れた紫髪。それは自分がおさぱちゅりーと合わさった気がしてとっても好きな色でした。 世界は理不尽です。おさぱちゅりーは理不尽に殺されました。まりさも私達も理不尽に殺されるでしょう。 ですが、まりさはそれでいいと思います。何もかもが作り物の世界でも、自分だけは自由だと。 それをわたしまりさは伝えたかったのですが、最後までそれが伝わることはないでしょう。 なぜなら、わたしまりさはわたしというカゴに入れられた存在だからです。 私ってなんでしょうね? 多分それは、自分を世界に留めたいだけの言葉でしょう。 わたしまりさは自己を解脱出来たのでしょうか? それは、皆様の考えにお任せします。 終わり。
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わたしのお嬢様をお気に入りに追加 情報1課 <わたしのお嬢様> #bf 外部リンク課 <わたしのお嬢様> ウィキペディア(Wikipedia) - わたしのお嬢様 Amazon.co.jp ウィジェット 保存課 <わたしのお嬢様> 使い方 サイト名 URL 情報2課 <わたしのお嬢様> #blogsearch2 成分解析課 <わたしのお嬢様> わたしのお嬢様の95%は苦労で出来ています。わたしのお嬢様の2%はむなしさで出来ています。わたしのお嬢様の2%は海水で出来ています。わたしのお嬢様の1%は大人の都合で出来ています。 報道課 <わたしのお嬢様> 【速報】マンガアプリPalcyで2021年12月に全話開放する10作品を紹介!実写化作品がズラリ!今こそ原作を読もう! - PR TIMES 中高一貫校の校長座談会/38 灘/豊島岡女子学園 得意・興味、支援する土壌 - 毎日新聞 生稲晃子 公式ブログ - November 27, 2021 - Powered by LINE - lineblog.me 『うたわれるもの』20周年&『ロスフラ』2周年キャラ人気投票の結果発表! - 電撃オンライン 樹るう「わたしのお嬢様」シリーズ最終巻はドラマCD付き - マイナビニュース 情報3課 <わたしのお嬢様> #technorati マンガとは マンガの33%は厳しさで出来ています。マンガの30%はカルシウムで出来ています。マンガの25%は元気玉で出来ています。マンガの9%は毒物で出来ています。マンガの1%は月の光で出来ています。マンガの1%は毒電波で出来ています。マンガの1%は魂の炎で出来ています。 28589.jpg?_ex=300x300 s=2 r=1 ヨスガノソラ 春日野 穹 -すくみず 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 ページ先頭へ わたしのお嬢様 このサイトについて 当サイトは漫画のタイトル毎にインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ページをブックマークしておけば、ほぼ毎日その漫画のタイトルに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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遅れてごめんなさい。 本文の訳と練習問題の解答をのせました。 間違いに気づいたら西岡までメールしてください。 本文訳 Lektion1 2Lektion1 2.zip Lektion3 4Lektion3 4.zip Lektion5 6Lektion5&6.zip Lektion7Lektion7.zip 練習問題解答 解答①img013.zip 解答②img014.zip 解答③img015.zip
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第三話 『魔女とわたし』 「じゃあ、そうやって持ち主のところに物を返して回ってるんだ?」 「そ」 言って私に背中を向けると、ろここちゃんはリュックをがしゃんと大きく揺らす。 その音からしてずいぶんと色々なものが入っているようで、ふかふかしたクマの身体はところどころ出っ張ったり、角張ったりしていた。 これまで割と純情な人生を歩んできた私にとって、魔女という響きは決して悪いものではなく、悩んだり困ったりしている人を助ける正義の味方だったりする。 それはもちろん漫画やテレビの影響かと思うのだが、常々感じる疑問があるのだ。 「でも、一体なんだってそんなことをしているの?」 あるべきものをあるべきところへ、失った大切な気持ちを思い出させるため。おおよそ思い描ける理屈はそんなところだろうか。 しかしそこで繰り出されたろここちゃんの返答に、私は稲妻にも似た衝撃を受けた。 「だって、他にすることないんだもの」 あくまで私の想像だが、あの夫婦は先ほどのやりとりで何か大切なことを思い出しているはずだ。それは一時的なことかもしれないが、とにかく良い方向への啓示を与えられたことに間違いはない。 それをこの子は暇つぶしのように言ったのだ。興味がないなんて謙遜していたが、本当に興味がなさそうなのだ。 暇つぶしで人助け。ろここちゃんは見た目あっぱらぱーな感じこそすれ、私の想像をはるかにこえた偉大な魔女なのかもしれない。 「でも、呼び鈴押してくれてありがとうね」 偉大なのだが呼び鈴の高さには、ほとほとお困りのようであった。 「どういたしまして」 両手を絞るように伸びをしたろここちゃんは、手首についた腕時計のようなものに目をやると「あ」と小さく声をだした。 「どうしたの?」 「またやっちゃった」 小さなゴムバンドにはピンク色のかわいいウサギの顔がついていて、眠っているように目をつむっている。 「これね、ほら目を閉じてるでしょ? こうなると魔女の世界に戻る門が閉じてるの」 「それって帰れなくなっちゃったってこと?」 「ううん、また目を開いたときには戻れるんだけどね」 要するに単なる門限タイマーらしい。 「へえ、次はいつ目を開けるの?」 「さあ?」 「じゃ、じゃあさ、次に目が開くまでどうするの?」 私は門限を過ぎて戻れなくなったろここちゃんを心配することよりも、突然降って沸いた楽しそうな予感に興奮を抑えきれなかった。 「どうって……どうしようかなあ」 「わわ、わたしの家に来ない?」 魔女との生活。 「リコのおうち?」 「そ、そう! 次に目が開くまでさ、私の家で、その、あの……」 魔女との冒険。 「ちょ、ちょっと落ち着いてよ」 「落ち着いてなんていられるわけないでしょ!」 魔女とわたし―― ☆ ☆ ☆ 「いたたた、そんなに引っ張らないでよ、行くから、行くから」 途中もちろん人とすれ違ったりするのだが、どの人も私からろここちゃんを奪おうとしているようなそんな目つきで、いつ襲われるのか不安でしかたない。 たとえるなら銀行で大金を下ろして――なんてフレーズを思いついて首を振る。 ろここちゃんは現金では買えないのである。 そんな焦りから私は途中で自転車を置き去りにして、ろここちゃんを半ば引きずるように自宅の前までたどり着くことに成功した。 「ここが私の家!」 「あれ、一人で住んでるの?」 私は小さいときに母を亡くし、ほとんど父親の手ひとつで育てられた。 父は私に対して過剰な愛を注いでくれていたのだが、思春期を迎えて大人になるにつれ、何かそれが気恥ずかしいように思えて、わざわざ自宅から離れた高校を受験したのだ。 「さ、入って」 もともと高校には寮があって、もちろんそこへ入る予定だったのだが、父親の「リコはそんなところに納まる器ではない」という一言で、なぜかこうしてアパートを借りて貰っている。 「うわっ、汚い!」 最初のうちは学校からいろいろ問題があると言われたのだが、不思議なことにそれらは次第に誰も口にしなくなっていった。詳しいことは知らないのだが、私の父はどうも日本の法に縛られない仕事をしているらしい。 「魔法で片付けられる?」 「できないよ、そんなの……」 「そんじゃーしょうがないか」 私は物がごちゃごちゃあるほうが落ち着くので平気なのだが、ろここちゃんが嫌がるのなら仕方ない。 なにせ魔女と生活するのだ。お互いにとって気持ちの良い場所が望ましいに決まってる。 とりあえず床にたまったゴミ袋を蹴りながら、私は最深部への突入を決意した。 ☆ ☆ ☆ 数十分後、お世辞にも女の子の部屋とは言いがたいが、新しめのアパートだったこともあり、なんとか綺麗な空間を作り出すことができた。 人間とは不思議なもので、普段全くやらないようなことでも、ちょっとしたきっかけがあれば張り切ってやりこなしてしまうのである。 ――いや、そうではない。私はろここちゃんのために部屋を片付けたのであり、これはろここちゃんのもつ魅力、つまり魔法の力が私にそうさせたのだ。 「部屋の片付けもあっという間! 魔法って本当にすごいわ!」 「へ? ろここなにもしてないよ?」 またまたご謙遜。 やっぱりろここちゃんは素敵な魔女なのである。
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【検索用 わたしのへりてーし 登録タグ CD CDわ いよわCD 全国発売】 + 目次 目次 CD紹介 曲目 リンク コメント 前作 本作 次作 ねむるピンクノイズ わたしのヘリテージ 映画、陽だまり、卒業式 いよわ 流通:全国 発売:2021年12月22日 価格:¥2,200(税込) CD紹介 CD名:『わたしのヘリテージ』 いよわ氏の2年ぶりとなる、2ndフルアルバム。 人気楽曲「1000年生きてる」や「きゅうくらりん」(CeVIO AI)など、15曲を収録。 曲目 捕食ひ捕食 オーバー! 黄金数 くろうばあないと アプリコット たぶん終わり あだぽしゃ うらぽしゃ きゅうくらりん 灰色の靴 ヘブンズバグ ポプリさん さよならジャックポット アイリスアウト 1000年生きてる リンク タワーレコード amazon 楽天 アニメイト コメント ひたすら良い。 -- 名無しさん (2022-02-09 22 44 14) 今1番欲しいCD!!! -- 名無しさん (2024-01-19 14 27 17) 名前 コメント